新年は業界や地域の賀詞交歓会が多いのですが、帰宅して猛烈に疲れるのは「マウンティング女子」と遭遇した時です。
もうこの疲労感たるや半端ない。「あ~、面倒くさかった!」と思いながら、家で飲み直します。
女性は仲がいいようで裏でドロドロ
2014年ごろ、沢尻エリカさん主演の人気ドラマ「ファーストクラス」(フジテレビ系)で話題になったので、今さら説明の必要もないかもしれませんが、「マウンティング女子」とは、相手よりも自分のほうが優位であることを示すための主張や行動、勢い格付けする女性をいいます。
私の場合、イベントの後は彼女たちとお付き合いしなければいいだけのことなので、気楽でありますが、職場に「マウンティング女子」がいたらキツイなぁと思います。
仕事柄、女性の多い職場にもよく行きますが、一見仲良くしているようでも、裏でドロドロの戦いを繰り広げていることがあります。女子校育ちの私は同性同士の気楽さや面倒くささも理解しているつもりですが、それでも近年の「マウンティング女子」の生態を聞くたびにビックリします。
マウンティングされ続けたことが原因で、うつ病になった女性社員が何人もいることを知っています。上司に訴えても、まともに取り合ってもらえず、退職を余儀なくされた人もいました。
男性上司からすると、「よくある女性同士のいざこざ」という感じで、できれば関与したくないという本音もなきにしも非ずですが、じつは「マウンティング女子」は、上司や権力者への立ち回りがうまいので評価が高く、相談者の話を軽く受け流してしまうこともあるのです。
深刻化する「マウンティング」問題
もちろん、時代や男女を問わず、さしたる根拠もないのに他者への優位性を示したがる人はいるものです。
しかし、人事や労務のご相談を受けていると、このマウンティングの問題は、最近はより深刻になっていると感じます。
SNSの発展などにより、個人の生活状況がより露わになりやすくなったことがその背景にあるのでしょう。このマウンティングは容易にいじめの問題に転化します。そして会社は、職場のいじめを放置すれば、損害賠償義務を負うことさえあります(東京高等裁判所2003年3月25日 労働判例849号87頁など)。
「よくあること」と受け流しては、思わぬ結果を招くことにもなりかねません。管理者にはたとえ些細に思える訴えでも、一度は真摯に聞く姿勢が求められます。(篠原あかね)