深刻化する「マウンティング」問題
もちろん、時代や男女を問わず、さしたる根拠もないのに他者への優位性を示したがる人はいるものです。
しかし、人事や労務のご相談を受けていると、このマウンティングの問題は、最近はより深刻になっていると感じます。
SNSの発展などにより、個人の生活状況がより露わになりやすくなったことがその背景にあるのでしょう。このマウンティングは容易にいじめの問題に転化します。そして会社は、職場のいじめを放置すれば、損害賠償義務を負うことさえあります(東京高等裁判所2003年3月25日 労働判例849号87頁など)。
「よくあること」と受け流しては、思わぬ結果を招くことにもなりかねません。管理者にはたとえ些細に思える訴えでも、一度は真摯に聞く姿勢が求められます。(篠原あかね)