EU離脱に揺れる英国 それでもポンドが売られないワケは?(志摩力男)

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英ポンドが再評価されるときがやって来る!?

   ところが、そこに英国の政治事情が絡むので、スッキリとは進まない。メイ首相の頑な態度が、すんなりと合意に向かう道を閉ざしているとも言えるし、態度をはっきりさせないコービン党首が障害になっているとも言える。

   労働党は、結局どうしたいのか――。はっきり態度を表明しなければならない。ソフトな離脱案で行くのか、それとも再度の国民投票を行うのかだ。それがはっきりすれば、超党派の連合も形成しやすくなるだろう。

   筆者は、ソフトな離脱案が結局成立する可能性が6、7割、再度の国民投票の可能性が3、4割と見たい。「合意なき離脱」(個人的には残念なことに)は、かなり確率は低いだろう。

   現在、外国為替市場で少しずつ英ポンドが買われ始めているのは、結局「合意なき離脱」という選択肢が消えて、英ポンドが再評価され買い戻される。その動きを先取りしつつあるのでしょう。

   英ポンドは極めて安い水準に放置されていたので、戻り始める(価値が上がる)とかなりのポテンシャルがある。そして、「合意なき離脱」の選択肢が消えることは、この(2018~19)年末年始に不安定化していた市場に安心感を取り戻す。

   過度な悲観にさらされていたが、過度な悲観からの巻き戻しが今後、起こる可能性が高まっているのかもしれない。(志摩力男)

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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