東京都民はどう思う? 旧築地市場跡地に「MICE」建設、ムダな「ハコモノ」かも......(鷲尾香一)

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お相手は海外にも、国を挙げてのMICE誘致競争

   じつは、国内には「グローバルMICE都市」と呼ばれる、国(観光庁)がMICEの誘致を後押しする都市が12ある。札幌市、仙台市、東京都、千葉県・千葉市、横浜市、愛知県・名古屋市、大阪府・大阪市、神戸市、京都市、広島市、福岡市、北九州市がそれ(2018年12月時点)。海外の競合国・都市との厳しい誘致競争に打ち勝ち、日本のMICE誘致競争をけん引することができる、実力ある都市を育成するという。

   オリンピックや万国博覧会とは言わないまでも、国際的な会議や展示会などは数多く開かれている。世界中の人々が訪れるのだから、その開催は国や自治体にとって一大イベント。国・地域を世界中にアピールする絶好の機会ととらえているのは、何も日本だけではない。国際的なMICE誘致競争は年々激しさを増しているのだ。

   つまり、「東京」のライバルは世界と、この11の自治体になるわけ。ご承知のように、イベントが頻繁に開かれる保証がないばかりか、稼働しなくても「ハコモノ」には維持費はかかり、その費用は税金で賄われる。

   旧築地市場跡地の活用については、安易に大規模MICEを建設するのではなく、東京都民のために、本当に利用価値の高い活用方法を検討すべきではないのか。(鷲尾香一)

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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