前回は、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みがCSR(企業の社会的貢献)につながるということを述べました。では現状、日本企業が取り組んでいるCSR活動はどのようなものが多いのでしょうか。
CSRに関する報告書などをみると、生み出した利益の一部を社会に還元したり(環境保護や文化事業、地域振興などに寄与するプロジェクト・団体への寄付や、関連イベントへの協賛など)、社員がボランティア活動に参加したりするなど、本業の「プラスα」で行われる活動が多く掲載されています。
事業活動を通じた社会課題の解決を
しかし、SDGsの達成において企業に求められる役割は、こうした「プラスα」の活動にとどまらず、事業活動を通じた社会課題の解決にあります。
SDGsの達成に貢献し得る、新たなビジネスモデルを築いたり、新しい技術を生み出したり、といったことです。
たとえば、「目標12:つくる責任 つかう責任」を達成するため、従来リサイクルされていなかった製品を、素材や設計の変更によりリサイクル可能な製品にすることを考えます。
コストが大幅に上昇するなど、経済合理性を欠くようでは事業として成り立ちませんが、たとえば設計を変える中で部品の数を減らすことができ、コストも削減できるようになるかもしれません。
また、リサイクルすることで原材料の消費を減らし、将来の資源の枯渇を避けることができれば、事業の持続性は高まるでしょう。