年末の暴落も「買いどき」と思えば悪くない 2019年も強気で攻める!(石井治彦)

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   2018年の世界経済は、12月になって大波乱!

   ながらく続いた世界景気の拡大も転換期を迎えているようだ。

   2018年を振り返れば、一時は27年ぶりの高値をつける場面もあった日経平均株価だが、米中の貿易戦争や世界景気の後退懸念から、7年ぶりに大きく下落。17年末と比べて2750円安い2万14円で大納会を迎えた。安倍晋三政権による「アベノミクス」の失速が鮮明になった。2019年を迎え、世界の政治経済は不確定要素が多く、株式投資は安全運転が求められる年になるように思える。

  • 2019年の株式市場はどうなる!?
    2019年の株式市場はどうなる!?
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値下り時にコツコツ拾う

   ご覧のように。2017~18年に記事に取り上げた銘柄は、残念なことに真っ赤である。

2018年、年末の暴落で......
2018年、年末の暴落で......

   とはいえ、強がりのように思われるかもしれないが、株価下落も悪くない。当初、買いたいと思っていた銘柄の株価が高くて購入を見送ったが、日経平均株価の下落とともに、購入することができた。たとえば、「武田薬品工業」や「旭化成」、「ゼンリン」がそれだ。

   「武田薬品工業」(2018年10月1日掲載)は、目標価格を3900円~4500円に設定していたが、記事掲載後の株価は4900円近くまで上昇。一度はタイミングを逸したとあきらめたが、10月10日の米ニューヨーク発の世界同時株安で、10月11日に4440円で100株を購入。12月25日にも3650円で100株追加購入できた。現在、保有株数が200株で、平均取得単価は4080円と、目標としていた価格で仕留めることができた。

   「旭化成」も、2018年12月6日に1184円で100株を購入。12月26日にも1066円で100株追加購入した(保有株数200株。平均取得単価1144円)。さらに下げることがあれば、資金の許す範囲で、買い増しを検討している。

   「ゼンリン」(現在は保有株数200株。平均取得単価2799円)は日経平均株価の下落に連れ安しているようだが、業務内容は有望と考えているので、さらに下げることがあれば、資金の許す範囲で買い増しを検討している。

   「ジャムコ」や「ナブテスコ」は、日経平均株価の下落でナンピン買い(下値での買い増し)できたことで、平均取得単価を下げることができた。

   「ジャムコ」は2015年11月4180円で高値づかみしてしまった。その後、ナンピン買いで価格を下げたが、業績改善によって株価が戻り基調となり、若干ながら益を出せる状況に至った。

   18年9月には3250円で100株を売却(売却益3万円)。現在株価は2500円台と安値圏にあるが、年央~年末にかけて、2020年納入開始を予定しているボーイング777Xの生産が、株価に折込まれてくるのではと期待している。現在の保有株数は1100株。平均取得単価は2879円。 「ナブテスコ」は掲載後、米中貿易摩擦による中国景気の減速懸念から、大幅下げを記録したが、安いところで買増した。同社は、企業の事業内容、構成ともにバランスが取れていてよいと考えているので、中長期保有を前提に資金の許す範囲で買い増し、取得単価を下げるように考えている(保有株数400株。平均取得単価3302円)。

石井治彦(いしい・はるひこ)
   1970(昭和45)年に大学卒業後、自動車大手に勤務。リース販売を手がける。投資歴は実質25年。入社後にユーザーと接するなかで得た情報と自分の知識で、最初のボーナスをもとに株式運用を開始。しかし、78~98年の20年間は投資する余裕がなく、休止に。それが幸いしてバブル崩壊の痛手は軽傷だった。ただ、いつでも動けるよう、日本経済新聞をはじめ経済誌などには目を通していた。
   「現物株式取引」と「長期投資」が基本姿勢。2011年の退職後は少しの小遣い稼ぎと、興味をもって経済誌を読むために株式を保有している。現在、14の銘柄で、1万3800株を運用。東京都出身、69歳。
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