お金の支払い手段、「決済」が大きく変わろうとしている。決済手段には、クレジットカードのほか、すでに楽天EdyやiD、QUICPayなど電子マネーに加えて、SuicaやPASMOといった交通系ICカード、さらに最近はQRコードを使ってスマートフォンの画面をかざすだけの新しい手段が急速に広がっている。
政府が「キャッシュレス化」を推進していることもあり、2019年は新たな決済手段が花開く1年になりそう。なかでも、「QRコード」によるモバイル決済はブームともいえる盛り上がりを見せている。
群雄割拠のQR決済 PayPay にLINEのつばぜり合い
QRコード決済は、小売店側が紙やタブレットで表示するQRコードを、お客が自身のスマホアプリで読み取ったり、あるいはお客がスマホに表示したQRコードを小売店側がタブレットなどで読み取ったりしてお願いで金の支払いを済ませる仕組み。
お客が事前に、自身のクレジットカード番号や、銀行の預金口座の番号などを登録しておくことが必要だが、小売店側はクレジットカードのようにカードの磁気情報を読み込む端末機を設置する必要がないので初期投資がかからず、導入しやすいメリットがある。
先駆けは金融プラットフォームを企画・運営するベンチャーのOrigami。その後、楽天やLINEなどが進出。KDDIや、みずほフィナンシャルグループも参入予定とされる。
「100億あげちゃうキャンペーン」で話題となった「PayPay(ペイペイ)」は、ソフトバンクとヤフーが出資した合弁会社。このキャンペーンは2018年12月4日にスタート。PayPayの利用で支払額(買い物金額)の20%還元と、10~40回に1度の確率で支払額がすべて還元される。
どんな商品を買っても20%OFFになるので、家電などの高額商品が売れに売れ、家電量販などはちょっとした「特需」となった。お祭り騒ぎになったことで、開始からわずか10日で終了。それと入れ替わるように、ライバルの「LINE Pay」が20%還元の「PayトクSpecial」キャンペーンを、12月14日から31日まで実施した。
熾烈な利用者の獲得競争が浮き彫りになった。