「18歳」でオトナ! 改正民法で「成人式」はどうなるの?

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   もうすぐ成人の日。2019年は、1月14日がその日だ。日本各地で式典やさまざまなイベントが予定されている。

   「成人」をめぐっては民法改正にともない2022年4月に、その年齢が18歳に引き下げられる。このことから、22年以降の成人式に参列する人を、何歳にするかが各自治体で議論にされている。じつは、「成人式」については法律の定めがないのだ。

  • 18歳でオトナ 成人式はどうなる!?
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「成人式発祥の地」埼玉県蕨市は「20歳対象」を表明

   成人式について、公益法人・日本財団が成人を前にした17~19歳の若者に調査したところ、74%が従来どおり「20歳」での成人式を希望していることがわかった=図1参照。

(図1)成人式は、やっぱり20歳がいい!?
(図1)成人式は、やっぱり20歳がいい!?

   18歳だと受験シーズンや就職準備と重なって、お祝い気分になれないうえ、飲酒・喫煙ができないため、オトナの仲間入りを果たした節目にならないかららしい。





    20歳での成人式を希望すると答えた人のうち、「受験」を理由にあげた人は62.8%。また、「飲酒・喫煙ができないこと」については38.2%だった=図2参照。

(図2)18歳の成人式は、お祝い気分になれない!
(図2)18歳の成人式は、お祝い気分になれない!

   「成人」をめぐって法改正は、別の法律や社会での理解との間で「ねじれ」が生じることも予想され、日本財団では「各自治体の式典実施の検討にも影響を与えるとみられる」とみている。

   成人式を開催する側の自治体の中には、こうした若者たちの思いに素早く反応する動きもみられている。

   昨夏、神奈川県逗子市はいち早く、民法改正後の2023年1月に開かれる「20歳を祝う成人の集い」(逗子市の成人式に当たる)を、引き続き「20歳」を対象に開くことを表明した。

   「成人式発祥の地」とされる埼玉県蕨市は18年11月22日、頼高英雄市長が「成年式」(蕨市の成人式)では「20歳を対象にする」と発表。18歳を迎えた成年に対しては、市長からのお祝いメッセージや年齢要件の変更に伴う制度上の周知や啓発については今後検討していく考えを明らかにしている。

   また、高松市も「2022年度以降も、20歳を対象に成人式を開催」することを、昨年11月に発表。名称は検討中という。20歳を対象にしたことについて、市は「18歳の多くが高校3年生で、進路の選択に関わる時期に当たることからの教育的な配慮」を理由としている。

   最近は、成人式当日の混乱ぶりが報じられるが、それぞれの地域では伝統的な祝いの行事として定着していることや「大学受験」という教育的な配慮もあり、なかなか変更というわけにもいかないようだ。

成人の日は「20歳の人のため」じゃなかった

   じつは、「成人式」には法律の定めはなく、各自治体の判断で開いている。

   祝日法によれば、成人の日の対象者を「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年」としており、その年齢を明確に定めているわけではない。

   成人式の対象者が「20歳」と考えられているのは、民法が「成年」を規定する第4条で「年齢20歳をもって、成年とする」としているためとみられる。民法の改正で「年齢18歳」となったことから、成人式に参列する人の年齢が今後の議論の対象になっているわけだ。

   つまり、改正後の民法に準じて成人式を行うと、法が施行される2022年度の成人式には、自治体によって18~20歳で対象が異なる可能性がある。

   この問題については、関係省庁横断の「成年年齢の引下げに向けた環境整備に関する検討会」で議論され、19年度末までに意見が取りまとめられる予定。これまでにも、各地で夏季の里帰り期間に合わせて成人式を行われている例もあるが、民法改正を機に対象年齢の分散化などの動きも広がるかもしれない。

   なお、日本財団の調査は2018年12月、17~19歳の男女800人を対象にインターネットで実施。対象の800人の内訳は、17歳男女各126人の計252人、18歳男女各140人の計280人、19歳男女各134人の計268人。

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