その73【中国編】はた迷惑な「広告」「こんなものいらない!?」(岩城元)

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ご当地の人も不快 貼ったり、はがしたりの「いたちごっこ」

   それはそれとして、この種の話は桂林のこのアパートに限ったことではない。これまで、中国各地のアパートなどの「壁」で同じようなものを見てきた。

   翻って、日本の私たちの郵便受けには毎日のように、いろんな業者のチラシ広告が投げ込まれている。ほとんどは読まれることもなく、すぐにゴミ箱行きで、随分と無駄な話である。

   そういえば、最近はすっかりお目にかかることがなくなったが、昭和の時代にはよく電信柱にペタペタと貼られたビラのような広告を見た。それでも、さすがに建物の中に無雑作に貼られた広告はあまりなかったように思う。

   とはいえ、日本に比べると、当地のアパートの壁に貼られたチラシ広告は、薄汚いながらも、まだ広告の役目を果たしている。量の面からも、資源の負担が少ないかもしれない。

   年賀で会った知人にそう話を向けてみると、「私たちもこうした広告は不快なんです。冗談を言わないでください」と怒られてしまった。住人たちのそうした意向も受けて、団地の掃除係の女性が黒く書かれた電話番号を消したり、チラシ広告をはがしたりしているそうだ。知人も手伝ったことがあるという。

   だが、消しても、はがしても、すぐに新しいものが現れ、なかなか追いつかない。それに、チラシ広告は壁にノリでべったりと貼られているので、完全にははがしづらい。それが壁をよけいに薄汚くしている。また業者のほうも、簡単にははがされないよう、写真の右上にあるように、天井近くにチラシ広告を貼ったりする。「いたちごっこ」が続いている。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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