12月になっても日経平均株価が持ち直さず、年末にかけては米国株の下落を受けて、2018年3月に付けた年初来安値を更新して、さらには2万円を割り込んだ。
荒れる株式市場にあって、今回は大企業で今後株価が持ち直せそうだと予想したセブン&アイ・ホールディングス(HD)について分析した。
誰もが知っている「子会社」がぞろぞろ
【セブン&アイ・ホールディングス(3382)】
2018年12月28日 保有株数 100株
取得単価 4536円(12月25日取得)
年初来高値 2018年10月5日 5203円
年初来安値 2018年3月2日 4275円
2018年12月28日終値 4783円
セブン&アイHDは、誰もが一度は聞いたことのある会社を、多数子会社に持つ国内2位の流通グループである。
事業分野としては、国内および海外のコンビニエンスストア事業とスーパーストア事業、百貨店事業、金融関連事業、専門店事業があり、それぞれ「セブン-イレブン・ジャパン」「7-Eleven,Inc.」「イトーヨーカ堂」「そごう・西武」「セブン銀行」「赤ちゃん本舗」といった有名な事業会社を、傘下に保有している。
中核となる国内コンビニ事業のセブン-イレブン・ジャパンは、国内1位の2万700店舗(2018年12月末現在)を持ち、安定した事業経営を行っている。
「セブンプレミアム」などのプライベートブランド商品はコンビニだけでなく、グループのスーパーや百貨店などでも売られ、安さだけでなく食の品質や安全性を求める消費者から支持され、売り上げを伸ばしている。
さらにはインターネットで食事のメニューを注文すると、翌日に弁当や惣菜を自宅まで届けてくれる「セブンミール」というサービスも提供。多様な販売システムを確立している。
好調な海外事業、東南アジアに期待
海外コンビニ事業にも大きな力を注いでいる。じつは海外コンビニ事業の収益は第2四半期決算では7486億円にのぼり、連結営業収益の4割以上を担っている。
もともと、セブン-イレブンは米国が発祥だったが、経営破たんした際にイトーヨーカ堂がこれを買収。現在はセブン&アイHDの子会社となった経緯がある。2017年には米国のガソリンスタンド・コンビニエンスストアを手掛けるスノコから事業の一部を買収。米国でも店舗を着実に増やしている。
同社は中国・北京市や上海市などに約2800店舗を展開。2018年12月には中国西北部の陝西省にコンビニを出店することを決定した。人口増加と経済成長が続く中国の内陸部での出店が売り上げ拡大の大きな助けになりそう。加えて、東南アジアへの出店もさらなる営業収益をもたらすと予想できる。
次に業績・財務の推移を調べた。2018年3月期決算では、売上高がわずかに2016年に及ばなかったものの、営業利益、経常利益、純利益は過去最高益となった。さらに2018年度第2四半期決算では、売上高を含めてすべての利益が前年同期を上回っていた。
2019年3月期決算でも増益が予想され、株価上昇が期待できる。総資産利益率(ROA)と自己資本利益率(ROE)をみると、それぞれ3.3%、7.6%とさほど高くないが、これは経営規模が巨大だからで、問題ないと判断する。
株式市場全体の地合いは悪いが、そろそろ「底」であると期待し、1株当たり4536円で買いを入れた。
【株式取引ルール】
・月200万円を上限に最低1銘柄(企業)を選ぶ、バーチャル投資です。
・投資対象は、新興市場を含む上場企業の現物取引です。
・1年間のトータルで損益を競います。