【株式市場を占う】懸念は米中貿易戦争の懸念 それでも、崩れそうで崩れない米国株(小田切尚登)

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(中見出し)株価下落で「逆張り」はありかも......

   欧州でも混乱が続くだろう。BREXITの問題は意外にうまく乗り越えられる可能性があるが、イタリアの債務の問題や相次ぐ極右政権の誕生など問題は山積しており、楽観視はできない。

   一方、新興国市場についてはもともと変動が激しいマーケットであり、2017年に相場が上がり、2018年には下がったところで、2019年は上がるとみる識者は多い。ただし、リスクも大きいことを忘れてはいけない。

   いずれにせよ、今年は2018年秋までのように相場全体が大きく上がっていくという期待は小さい。

   世界市場全体からみると、結局は米国株が頼りという構造は変わらないのではないか。2008年からの10年間を見ても、欧州株の指数が軒並み下げた中で、米国の株式指数S&P500は2倍以上に増えた。

   米国市場は厚みと広がりがあり、アップルやアマゾンなどのハイテク株が下がっても、インフラやヘルスケアなどの安定したセクターが支える、という構造がある。

   日本の株式相場は、企業収益が伸び悩んでいることや、金融緩和も財政投資もやり尽くした感があること、海外でネガティブな動きがあると「株安・円高」に振れやすいことなどを考えると、積極的になりくにくい。

   ただし、株価がある程度下がっていった場合は、個別企業をよく見ながら、「逆張り」で買いに入るという選択肢もあると思う。(小田切尚登)

小田切 尚登(おだぎり・なおと)
小田切 尚登(おだぎり・なおと)
経済アナリスト
東京大学法学部卒業。バンク・オブ・アメリカ、BNPパリバなど大手外資系金融機関4社で勤務した後に独立。現在、明治大学大学院兼任講師(担当は金融論とコミュニケーション)。ハーン銀行(モンゴル)独立取締役。経済誌に定期的に寄稿するほか、CNBCやBloombergTVなどの海外メディアへの出演も多数。音楽スペースのシンフォニー・サロン(門前仲町)を主宰し、ピアニストとしても活躍する。1957年生まれ。
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