企業がSDGsに取り組む意義(上)わかります? 企業のCSRとSDGsの違い(大和総研 太田珠美)

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SDGsへの取り組みはCSRにつながる

SDGsの17の目標
SDGsの17の目標

   その一方、SDGsへの取り組みは、結果的にステークホルダーからの信頼を得ることにもなり、CSRにつながると考えられます。

   たとえば、

「目標13:気候変動に具体的な対策を」

「目標14:海の豊かさを守ろう」

「目標15:陸の豊かさも守ろう」

の観点を意識し、環境に配慮する企業は、周辺に住む地域住民から信頼されるでしょう。

   また、

「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」

「目標8:働きがいも 経済成長も」

「目標10:人や国の不平等をなくそう」

を意識し、従業員の処遇を性別や人種などで差別しない企業は、従業員から信頼されるでしょう。

   言い換えれば、SDGsの目標から遠ざかるような行動は、ステークホルダーからの信頼を失うリスクがあるということです。SDGsの採択を契機に、世界的に社会的課題の解決を目指す機運が高まっています。SDGsの目標に反する行動を取る企業は、取引先のサプライチェーンから外されるリスクもあります。

   SDGsは、CSRに取り組む際の指針になるものと言えるでしょう。(大和総研 金融調査部・主任研究員 太田珠美)

太田 珠美(おおた・たまみ)
大和総研 金融調査部・主任研究員
2003年、大和証券に入社。支店営業や経営企画部を経て2010年に大和総研に転籍。投資戦略部で日本株式市場を担当したのち、資本市場調査部(現・金融調査部)でコーポレート・ファイナンスを担当。
著書に、「証券市場のグランドデザイン -日本の株式市場はどこに向かうのか-」(中央経済社、2012年12月、共著)。東京工業大学大学院非常勤講師(2017・2018年度下期)。
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