企業がSDGsに取り組む意義(上)わかります? 企業のCSRとSDGsの違い(大和総研 太田珠美)

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   前回、SDGs(持続可能な開発目標)の達成には公的部門だけでなく、民間部門の力が必要であることにふれました。

   民間部門の中でも、特に企業の事業活動にともなう投資、そこから生み出されるイノベーションは、経済成長や雇用創出を生み出すことなど、SDGsの達成に大きく貢献するものと期待されています。

  • 企業の社会的責任との違いは?
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CSRの取り組みは企業の持続的な成長につながる

   すでに多くの企業がCSR(Corporate Social Responsibility:企業の社会的責任)に取り組んでおり、SDGsもこれと同じではないか? と思う方も多いかもしれません。

   CSRとは、企業が消費者や従業員、取引先、地域社会、株主や金融機関など、さまざまなステークホルダーからの信頼を得るための活動を指します。

   CSRに取り組むことは、企業の持続的な成長につながり、社会の持続性の向上に貢献するものとされています。SDGsの目的は持続可能な社会をつくることですから、最終的な目的はCSRと同じと言えます。

   CSRとSDGsの違いは、CSRは企業がステークホルダーからの信頼を得るためにはどうしたらよいか、自ら考えて行動に移すものであるのに対して、SDGsは解決しなければならない社会的課題(17の目標)が、すでに提示されていることでしょう。

   自社の事業がSDGsの達成にどのように貢献できるかを考え、行動に移すことになります。

太田 珠美(おおた・たまみ)
大和総研 金融調査部・主任研究員
2003年、大和証券に入社。支店営業や経営企画部を経て2010年に大和総研に転籍。投資戦略部で日本株式市場を担当したのち、資本市場調査部(現・金融調査部)でコーポレート・ファイナンスを担当。
著書に、「証券市場のグランドデザイン -日本の株式市場はどこに向かうのか-」(中央経済社、2012年12月、共著)。東京工業大学大学院非常勤講師(2017・2018年度下期)。
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