じつは無茶ぶりされた人も得するかも?
でも、当方は無茶ぶりを巧みに駆使することで仕事の幅が広がる、振られた人も得する可能性が大きいと確信しています。
特にキャリアを積むと、仕事がドンドンと振られてくるようになります。それをいかにさばいていくか――。そのときに大事なことは、「どの仕事を自分がすべきか」考えることです。仕分けして、それ以外の仕事を誰かに任せるというのではなく、無茶ぶりできる能力を持つことが重要であると考えます。
では、私たちに仕事を振る、そしてしばしば無理難題を言いつけてきて悩みのタネとなる上司、あるいはもっと偉い人はどうなのでしょう?
こんな疑問が浮かびそうです。彼らにしても、新しい業務分野を開拓するなど、自ら戦略を立てて仕事をつくる機会が多いのは間違いないのですが、日常の仕事の多くは「振られる」ことによって成立しています。
社長や役員だって例外ではありません。ある会社の営業部長が、社長にこう切り出しました。
「社長、お客さま感謝のパーティーに出席いただきたく、日程の調整を......」 「わかった。では秘書にスケジュールを確認して、開催日を固めてくれ」
「ありがとうございます。できれば、オープニングでご挨拶をいただきたく......」
「ああ、もちろん。挨拶の文案は営業担当役員のC君と練ってくれないか」
「承知しました。ではCさんにもその旨、お伝えして相談いたします」
営業部長から社長、社長から役員に仕事が振られました。このように仕事は「振って、振られて」を繰り返しながら、ビジネスのプランが進行していくのがわかります。