年末年始は、お笑い芸人がテレビの主役。そんな芸人の会話によく登場するのが「無茶ぶり」です。聞いてないですよ、そんな急に言われても...と戸惑う芸人のリアクションに笑いが起こる場面をみかけます。
でも、無茶ぶりはお笑いだけでなく、ビジネスの場面でもよくみかけます。今回は無茶ぶりの活用法について、みなさんと考えてみたいと思います。
無理難題の押し付けか、それとも責任転嫁か
まず、自分の成長機会は自分の努力の賜物......。こう話す人がいます。
でも、本当にそうでしょうか? そう、自分の仕事はほとんど誰かから「振られた」もの。
たとえば、
「D君が休暇を取ったので代わりにお願いしたい」
と、ふだんは先輩が行っている会議への出席を振られたとき、自分的には高いレベルの会話に参加することで、成長機会につながることでしょう。
これまでの努力から認められたと、自分としてはそのことだけが認識されるかもしれません。でも、D君に任せようと、誰かが振ってくれたことに対する感謝は生まれたでしょうか。
組織の中で働く人、場合によっては独立して働いている人でも、1日の多くは「振られた仕事」をこなすことに時間を費やしているのではないでしょうか。たいていは上司から「この仕事をやりなさい」と指示をされている、まさしく振られたはずなのです。
ちなみに、振るにも急な振りを「無茶ぶり」と言います。たとえば、やったことがない会議の仕切りを突然に「君にやって欲しい」と指名する上司と戸惑う部下。あるいは「明日から入社してくる後輩の面倒をよろしくお願いしたい」と、急に育成担当を任されて驚く中堅社員。そんな無茶ぶりに、「無理難題の押し付けに過ぎない」「責任転嫁ではないか」とネガティブな意見を持つ人もたくさんいます。