金融商品の好みやリスク許容度は投資経験に関係ない!
こう話すと、「ベテランには長年懇意にしている金融機関担当者にがっちり張り付いて、よい人間関係ができているから、いろいろと便宜を図ってもらえるのでは?」と思うかもしれない。
ところが、どうやら意外にもそうでもないようだ。下図を見ると、投資経験が5年、10年、15年と長くなっても、現在の担当者とのお付き合い期間は2~3年程度が最も多いことがわかる。また、投資経験15年のベテランであっても、現在の担当者と5年お付き合いをしている人は1割程度だ。
つまり、ベテランは、金融機関の担当者が異動になって変わったとしても、新たな担当者に自分の投資の好みをうまく伝え、上手にお付き合いしているということかもしれない。
最後にもう一つ興味深いデータを紹介しよう。投資経験が長くなれば、リスクに対する恐怖心が下がって、ハイリスク・ハイリターン型の金融商品を好むようになるのか、という点だ。
元本保証型とリターン追求型の商品のそれぞれ対する好みを聞くと、おもしろいことに、投資経験年数の長さによらず、ほぼ同じ傾向だったことがわかる。
つまり、投資経験を積んでもリスク許容度や金融商品の好みは変わらないし、変える必要のない。リスクへの恐怖心は、「人の価値観」によるものということだ。
なんだか少し安心する結果ではないだろうか。