東京に住むのなら、西武鉄道の沿線がいいかもしれない――。
地盤解析専門会社の地盤ネットホールディングス(地盤ネット)が2018年11月28日に発表した第1回「いい地盤の日アワード」の「首都圏の鉄道路線のなかでも最も地盤がいい路線」に西武鉄道(埼玉県所沢市)が選ばれ、不動産関係者や鉄道関係者のあいだで話題となっている。
初の「いい地盤の日アワード」大賞に選出
地盤ネットは11月28日を「いい地盤の日」として制定し、「いい地盤の日アワード」の表彰式を開催した。これは「生活者が安全に豊かに暮らし続けられる住環境の創造と、災害から生活者を守る企業活動の卓越した功績」に対して表彰。西武鉄道は、その大賞に選ばれた。
アワードの選考は、同社が提供する事業者向けの「地盤安心マップPRO」などで取得したデータに基づいて選出。データよる分析の結果、鉄道路線の各駅「地盤安心スコア」を発表した。
東京都の地盤は葛飾区、江戸川区、江東区、足立区、墨田区、荒川区といった下町地域の地盤が弱いため、地盤の強い山の手地域を走る西武池袋線、西武新宿線、小田急線、東横線と山手線を対象とした。
各駅は、分析結果のスコアによって、「安全(80点以上)」「注意(51~79点)」「危険(50点以下)」の3つに分類されている。この結果の路線別の各駅の評価=下表参照=をみると、「危険エリア」と評価された駅は、山手線で15駅(29駅のうち)、小田急線で17駅(38駅)、東横線で13駅(21駅)あったなか、西武池袋線は危険エリアがゼロ、西武新宿線は5駅と少なかった。
平均スコア 安全 注意 危険
西武池袋線(32駅) 83.75 27駅 5駅 なし
西武新宿線(29駅) 77.07 19駅 5駅 5駅
小田急線(38駅) 67.11 16駅 5駅 17駅
東横線(21駅) 55.95 3駅 5駅 13駅
山手線(29駅) 59.14 7駅 7駅 15駅
他の沿線が2ケタを超えているのに対して、西武線の各駅の地盤が圧倒的に強いことがわかる。
都道府県別、沖縄県の地盤がナンバー1!
このデータがテレビなどで取り上げられると、西武線の沿線住民たちからは、
「西武線の地盤、最強!」
「西武線沿線は安心して住める」
などの書き込みが殺到した。
ちなみに、地盤ネットは都道府県別の「いい地盤」ランキングを発表しており、12月現在のベスト5、ワースト5は以下のようになっている。
トップの沖縄県は、那覇市をはじめ、琉球石灰岩と呼ばれるサンゴ礁が固まった岩の台地と丘陵地が広く分布しており、低地の町の沿岸大都市と比べてよい地盤のエリアが多いと、評価している。東京都は、上から25番目だった。
<ベスト5> <ワースト5>
都道府県 スコア 都道府県 スコア
沖縄県 82.8 高知県 60.7
群馬県 79.0 新潟県 61.3
福島県 78.9 岡山県 62.3
栃木県 78.6 徳島県 62.4
熊本県 77.8 島根県 63.3
(鷲尾香一)