会社訪問すると、交通費がものすごい小遣いに
そうした事情は、次のように思い出に残る就職活動のエピソードを聞くと、よくわかる。バブル期ならではの回答が多い。
「売り手市場の時だったので、内定の時に会社からクルマをもらった人もいました」(母親・文系)
「関西から東京に企業訪問に来て、複数社から往復の交通費(新幹線代)を支給された」(父親・理系)
「超売り手市場だったため、すべての企業で全額交通費が支給され、週末に東京などで何社か回ると、ものすごい小遣いになった」(父親・理系)
「学校からの斡旋だったので、受ければすぐ受かる状況だった」(母親・文系)
「就職情報誌に載っていた資料請求ハガキを送っただけなのに、内定の電話がかかってきたことがあった」(父親・文系)
「売り手市場で特に困ったことはなく、学校推薦で希望の会社に就職できた」 (母親・理系)
「学校の就職担当からどういう職種が希望か聞かれて、紹介者に面接へ行った。そして採用となったので自分自身は会社訪問もしていない」(母親・理系)
「就職活動期間が短かった。短大卒女子の就職がとてもよく、学校推薦をもらう前に内定が出てしまい、逆推薦という形が多かった」(母親・文系)
「ペパーミントグリーンのスーツや半袖のスーツを着て就活した。今では考えられないでしょうね」(母親・文系)
「あまりに多くの企業から内定をもらったので、その内定を断るのが大変でした。詫び状を書いたこともありました」(父親・文系)
お父さん、お母さん、若い頃の就活でいい思いをしたのだから、ぜひ子どもの就活には大らかな気持ちでいてほしいものだ。
なお調査は2018年11月21日~25日に、現在就活中もしくは就活が終わった学生を子どもに持つ保護者のうち、バブル期(1986年~1992年)に就職活動をした男女358人(47、48歳~53、54歳)にインターネットを通じてアンケートした。(福田和郎)