今なお、クイーンは闘っている!
異常なまでのクイーンブームを受けて、先日NHKがブライアン・メイとロジャー・テイラーの独占インタビューを放送しました。映画公開後、世界で唯一行われた独占インタビューだそうですが、さすが世界のロックスター。数々の名言を残してくれました。
すでに報道で目にした方も多いかと思いますが、せっかくですので二人が語ったメッセージを「生の英語」でご紹介します。
If there is a secret of Queen, that is being about people and not being about Rock star
(もし、クイーンの秘密があるとしたら、それは僕たちがロックスターではなくて人間であろうとしたことだ)ブライアン・メイ
二人は、音楽活動や映画についてだけではなく、現在の世界情勢についてもストレートに発言しています。
It's too many borders and walls and cultural restrictions.
I don't believe in any of that.
We should think freely and everyone is different.
(世界中にたくさんの国境や壁や文化的制約が存在する。でも僕はどれ一つ信じていない。僕たちは自由に考えるべきだし、誰ひとり同じではない)ロジャー・テイラー
I like to build bridges and not walls so I hate what is going on in America
(僕は、壁をつくるのではなくて橋を架けたい。だから、アメリカで起きていることを忌み嫌っている)ブライアン・メイ
そういえば、2016年の共和党全国大会で、ドナルド・トランプ米大統領候補(当時)が自身の入場曲として「伝説のチャンピオン」を無断で使用したことについて、クイーンが激しく非難し、度重なる抗議をしていたことを思い出しました。
ブライアン・メイは、英国のEU(欧州連合)離脱について「イギリスがした最も愚かな出来事だ」と批判をするなど、分断をあおる風潮に対して声高に「NO」を言い続けています。
歌で世界をつないできたクイーン。残念ながら分断が進む世界で、歌からことばに武器を変えて、今でも闘い続けているのでしょう。
ロックスターではなく、ひとりの人間として闘う姿に、国境を越えたクイーンブームの「秘密」を垣間見た気がしました。(井津川倫子)