「外国人材拡大」を日本に住む外国人に聞く 一番困っている問題は意外にも......

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

ベトナム人女性「いい会社で働けるのは10人に1人」

   技能実習生の問題について、調査では回答者の中から実際に技能実習生として働いているベトナム人女性(25歳)にインタビューしている。

――(国会などで取り上げられた)技能実習生の問題について、どう思いましたか?
「とてもよくないことです。日本にとっても、私たちにとっても大きなダメージです」
――技能実習生問題は、ベトナム人コミュニティーではどのように語られていますか?
「母国でも多くの人が心配しています。なぜなら、この問題がクローズアップされることで、日本で働きたいと思っている多くのベトナム人が日本で働けなくなる可能性もあると考えるからです」
――日本で働くことについてどのような印象を持っていますか?
「とてもよいことです。日本は素敵な国で、私が一緒に働いているスタッフはみんなとても親切で待遇も悪くありません。しかし、他のすべての会社がそのような会社ではないと思います。おそらくいい仕事に就けるのは10人に1人くらいでしょうか。私の多くの友達は就職先で苦労しています」
――日本で生活する上でどのような点に困っていますか?
「あらゆる事務手続きがとても大変です。言葉の問題ではなく、手続きをするための条件がとても厳しいのです。たとえば、ベトナムでは携帯端末とSIMカードがあれば携帯電話を使えますが、日本では銀行口座や個人情報に関する書類などが必要です。とても驚きました」

   改正入管法では技能実習生制度の問題点が大きく取り上げられたが、この調査では実習生以外の外国人労働者も不当な待遇に甘んじるケースがあることが見えてきた。また、多くの外国人が住居の確保や銀行口座開設などのさまざまな事務手続きの場面で苦労していることもわかった。外国人の目線に立って、暮らしやすく働ける環境を整えていくことが大切だろう。

   なお調査は、2018年11月26日~12月7日に日本在住で就労ビザを持っている外国人290人にインターネットを通じてアンケートを実施した。12月10日の発表。国籍の上位10か国は、アメリカ(12%)、フィリピン(10%)、インドネシア(7.3%)、スペイン(4.6%)、インド(4.2%)、マレーシア(4.2%)、イギリス(3.9%)、ドイツ(3.9%)、フランス(3.1%)、ブラジル(3.1%)だった。(福田和郎)

姉妹サイト