2018年も残すところあと20日を切った。冬のボーナスで懐が暖かいビジネスパーソンが少なくないこの時季。「もうちょっと増やそうか」と年末ジャンボ宝くじを買ったり、有馬記念の馬券を買ったり...... 株式投資を考えている人もいるかもしれない。
そんななか、株式市場のもっぱらの関心は12月19日に新規上場を控えた「ソフトバンク」株だ。親会社のソフトバンクグループが最大2兆6000億円を売り出す、過去最大の上場案件とされる。国内で約9割が売り出され、その大半が個人投資家に販売される計画というから、注目されるのも無理はない。
旭化成株、1184円で買った!
一般的に企業が株式を新規公開(IPO)する場合、実施時期が問題となる。なぜなら上場する企業側としては、上場益が大きいほうがいいわけで、なるべく高く売り出しできる時期を、まず考える。
日本経済の現状を考えると、来年(2019年)1月に戦後最長の景気拡大が見込まれ、日経平均株価も2万円台で推移しているなど、良好な状況にある。また、12月は冬のボーナス時期にあたり、ソフトバンク株の主たる売却対象となるサラリーマンにとっては懐の暖かい時期でもある。
とはいえ、このことは株式を購入する個人株主からすると、高値づかみをする危険性をもはらんでいるともいえる。
「高値づかみ」の例には、日本郵政株がある。2015年11月4日に上場した日本郵政は、初値は1631円と売り出し価格(1株1400円)を上回ったが、翌16年2月には売り出し価格を下回った。現在(18年12月12日終値)も1312円と、さっぱりだ。もちろん、ソフトバンク株が必ずしもそうなるとは限らないが......。
それもあって、また、これまでの経験からしても基本的に新規上場株には手を出さないようにしている。どうしても買いたい場合は、上場時は見送り、半年とか1年くらいの時間を置き、株価が落ち着いて下値が見えた段階で購入するようにしている。
ソフトバンクの売り出し価格は1株1500円。旭化成株はそれより安く買えるし、わざわざ危険をはらんでいる銘柄に手を出すこともあるまい。
そういうわけで、今回は新規上場のソフトバンク株ではなく、これまで検討してきた「旭化成」株を12月6日に1184円で100株購入した。旭化成は業績がいいにもかかわらず、日経平均株価の下げとあいまって、年初来安値(18年12月6日、1166円50銭)近辺にあった。