翻訳本は出版社が手間をかけている
洋書を読むべき理由は、ほかにもある。洋書の翻訳本に良書が多い理由は、出版社が取るリスクで説明ができる。
英語で書かれた本を日本語に翻訳して出版するとき、出版社が取らなければいけない手順は、日本語をそのまま出版するより遥かに多くなる。まず、原書を出版した外国の出版社とコンタクトを取り、日本で出版する許可を得なければならない。次に、英語で書かれた原書を、日本語に翻訳する訳者を探さなければならない。
いずれも、日本人が書いた本を出版する際には必要のない手続きだ。翻訳本は、より多くの経費がかかるため、初めから日本語で書かれた本と比べて高価になる傾向がある。
海外で出版された本を日本語に翻訳して発売することは、出版社にとっては大きなリスクを伴う。そうしたリスクを負って出版された本は、出版社が「この本は売れるに違いない」と、自信を持って出版したものが多い。
ほかにも、書店の店頭で読むべき本を探す方法はある。最初の出版から何年も経っていて、過去に何度か改定がされているような書籍を選ぶというものだ。出版から何年も経っても絶版にならずに販売が続いているような書籍は、時代を超えた普遍的な真実を述べているものが多い。ある意味、不朽の名作ともいえるだろう。
もしあなたが投資家なら、直近の2、3年間しかその成果を証明されていない手法と、過去40年間にわたって、ずっと実績を上げてきた手法のどちらを学びたいだろうか?おそらく、後者だろう。
電子書籍の普及も後押しして、数多くのの書籍が毎年出版される時代になった。だからこそ、限られた読書時間を最大限に有効活用するためのスキルを身につけたいものだ。(ブラックスワン)