就職サイト大手の「マイナビ」が、障害のある学生向けの就活サービスに本腰を入れ始めた。
2018年12月3日に、20年以降卒業予定の障がいのある学生のための就職情報サイト「マイナビ2020チャレンジド』を開設。さらに来年3月5日には、合同企業説明会「マイナビチャレンジドセッション』を初めて開催する予定だ。
説明会会場では手話通訳者などを配置
オープンした就職情報サイト「マイナビ2020チャレンジド」では、「就活なんでもQ&A」や障害を持つ学生・社会人の「就活体験記」など、就活に対する不安を解消するための準備コンテンツを掲載している。
採用情報が公開される2019年3月1日以降は、障がい者コースがある企業や、積極採用している企業の検索が可能になる。企業検索にあたっては、障がい別の雇用実績、どのような配慮があるかといった検索軸も用意する。
合同企業説明会「マイナビチャレンジドセッション」は、来年3月5日に東京・水道橋にあるプリズムホールで開催する。
参加学生には、障がいの内容や希望する配慮などを記入する「プロフィールシート」を用意。パンフレット掲載の企業情報には障がい別の雇用実績や障がいへの配慮などを載せ、学生と企業の相互理解がスムーズに行える仕組みを提供する。
会場には手話通訳者、要約筆記者や看護師を配置し、通常イベントよりも通路幅や休憩コーナーを広げるなど、障害のある学生が安心して参加できるようにする。
4割が一般枠と障がい者枠を並行して就活
マイナビが障がいのある学生向けの就活サービスを拡充した背景には、2018年4月に行われた障害者雇用率制度の変更が大きく影響している。
国の定める民間企業の障がい者の法定雇用率は、今年4月に2.0%から2.2%へと引き上げられ、対象となる事業主も従業員数50人以上から45.5人以上へと拡大した。
法定雇用率は、さらに2021年4月までに2.3%へ引き上げを予定されている。
また、2017年度における障がいのある学生の卒業者数は4021人(前年比331人増)で、そのうち就職者は2240人(前年比287人増)と、いずれも前年から増加している(日本学生支援機構調べ)。
マイナビの調査では、2016?2019年卒の障がいのある学生のうち、41%の学生が一般枠と障がい者枠を並行して就職活動を行い、66%の学生が就職情報サイトを使用したことが調査でわかっている。
サイトの開設と、来春の合同企業説明会の開催によって、障がいのある学生と企業の間に「最適なマッチング」が築かれることが期待される。