QUEENブームは止まらない!フレディに贈る「英国式 最高の誉め言葉」は?(井津川倫子)

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フレディは「変わり者」? 最高級の誉め言葉とは

   じつは、映画「ボヘミアン・ラプソディ」の前評判はそれほど高くありませんでした。「事実と違う」「神聖化しすぎ」などといったマイナス評も多く見られました。

   なぜ、これほどまでに全世界で「ウケて」いるのでしょうか。

   先日、私もようやく映画を観ましたが、「予想外のブーム」になっている理由がわかりました。とにかく、鑑賞後に「じわじわくる」のです!

   もちろん映画も感動的ではあるのですが、その後にQUEENの曲を聴きなおしたり、リアルタイムでは知らなかったデビュー当時のエピソードなどを知るにつれ、「もっと知りたい」「もっと聴きたい」気分が盛り上がるのです。

   当時のコアなファンよりも、なんとなくQUEENを意識していた「潜在ファン」が、その魅力にあらためて気づき、今になってCDやDVDを購入しているのではないでしょうか?

   ギタリストのブライアン・メイが最近のインタビューで語っていましたが、映画にも登場する1985年の伝説のライブ「ライブ・エイド」に出演したとき、メンバーは「そんなに盛り上がらないだろう」と思っていたそうです。

   QUEENの出演が決まったときにはすでにチケットは完売。QUEEN目当ての観客はいないと予想していたので、会場の「想定外」の盛り上がりが信じられなかったとのこと。観客の中にもQUEENの「潜在ファン」がたくさんいた、というでしょうか。

   ブライアン・メイは、同じく最近のインタビューで、フレディ・マーキュリーのことを次のように評していました。

He was sure was unique.
(フレディは、比類の無い存在だ)
I've never met anybody like Freddie in my life, before or since, and it's probably not going to happen again.
(僕はフレディのような人に、フレディに会った前も後にも出会ったことがない。そして、おそらく二度と出会うこともないだろう)

   さて、「今週のニュースな英語」は、ブライアン・メイのことばから「unique」(ユニークな、唯一無二の)を取り上げます。

   じつは、英国では「ユニーク」は「誉め言葉」としても使われます。

   個性を大事にする英国人にとって、「他人と違う」「変わっている」つまり「ユニーク」と評されるのは、最高の誉め言葉なのです。

   「みんなと同じ」をヨシとする日本の風潮とはまったく逆の傾向ですが、私のロンドン時代の同僚も、子どもの自慢をするときは「ユニークさ」を競い合っていました。

His presentation is unique
(彼のプレゼンは天下一品だ)

   「唯一の」という意味で、ウエブのユニークユーザーという使い方もあります。

unique visitors to a website
(ウエブサイトの個別訪問者)

   ビジネスの場面では、「独自の」といったニュアンスでよく使われます。

take a unique approach to~
(~に対して独自のアプローチをする)

   フレディ・マーキュリーの「ユニークさ」については、誰もが認めるところでしょう。ブライアンが贈った英国流の最高の誉め言葉に、思わず胸が熱くなってしまいました。マイ「QUEENブーム」は、まだまだ鎮火しそうにありません。(井津川倫子)

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井津川倫子(いつかわりんこ)
津田塾大学卒。日本企業に勤める現役サラリーウーマン。TOEIC(R)L&Rの最高スコア975点。海外駐在員として赴任したロンドンでは、イギリス式の英語学習法を体験。モットーは、「いくつになっても英語は上達できる」。英国BBC放送などの海外メディアから「使える英語」を拾うのが得意。教科書では学べないリアルな英語のおもしろさを伝えている。
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