JT(日本たばこ産業)は2018年12月13日、1965年から54年間にわたり毎年続けてきた「全国たばこ喫煙者率調査」を、2018年の調査をもって終了すると発表した。
理由は、正確さを期すために調査に住民基本台帳を使ってきたが、個人情報保護の観点から、自治体によっては企業による閲覧を制限するところが出てきたため、データの信頼性を維持することが難しくなってきたからだという。
自治体が住民基本台帳の閲覧を制限
J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じたJTの広報担当者によると、喫煙者率調査はこんな方法で行なわれてきた。
(1)都道府県の人口に比例して全国1605地点を無作為に抽出。
(2)1地点から20人の成人男女を無作為で抽出。
(3)合計で1605地点×20人=3万2100人に、喫煙の有無などについて郵送方式でアンケートを行なう。
そして、1605地点から20人ずつ抽出する際、その自治体の住民基本台帳を閲覧して20人を選んできた。
広報担当者はこう説明する。
「じつは現時点ではまだ、調査に支障が出るほど、自治体側から住民基本台帳の閲覧制限に遭っているというわけではありません。過去5年間で36地点720人分のデータを集めることができなかっただけです。しかし、今後この流れが広がることが予想され、信頼性の担保が難しくなるでしょう。また、この調査方法は非常にコストがかかります。総合的に判断して、今年をもって辞めようと決断しました」
ピーク時の喫煙率は男性で84%も!
これまでの喫煙者率調査は、前身である日本専売公社以来の「公的調査」の役割を担ってきた。ただ、今後は1民間企業として、違う手法でのマーケティング調査は続ける。喫煙率も調べるのは当然だ。
ちなみに54年間で喫煙率のピークだったのは、1966年の男女合計49.4%(男性83.7%、女性18.0%)で、最低は今年(2018年)の男女合計17.9%(男性27.8%、女性8.7%)だ。
「どんどん喫煙率が下がっていく流れは変わりません」
と広報担当者は語った。