長老経営者の「使い道」
瀬戸社長は、「足りないものがあれば、分け隔てなく一つひとつ自分で探し出す」というのが、その信条といいます。
企業買収も基本的は同じ。足りないものを分け隔てなく、自ら探すことで進められたわけです。そして、それが不調に陥っていると察知するや、再び足りないものを分け隔てなく自ら探し、親子ほども歳が違うことに何の躊躇もなく、事業再建のプロの松本氏に行き着いた。今回の一連の流れはそんな印象が強いです。
ライザップが松本氏の手腕によって業績回復となるか否かはまだわかりませんが、会社経営においては問題が難問であればあるほど経験というノウハウが役に立つ確率は高くなるものです。
還暦目前の私自身の経験から言えることは、年長の経営者たちを口うるさい親父として遠巻きにするばかりではなく、多少の居心地の悪さはあっても「他人経験を手に入れる」そんな観点で近づいてみることも有効だろうと思っております。(大関暁夫)