「ビジネスにつながる出会いがしたい」若手経営者の懇親会の過ごし方(大関暁夫)

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ライザップ・40歳の瀬戸社長がヘッドハントした事業再建のプロ

   先日来、新聞紙上を賑わせている話題として、「結果にコミットする」減量トレーニングのライザップが損益予想の大幅な修正により、赤字転落するというものがあります。

   同社は、本業は順調に推移しているものの、M&A(企業の合併・買収)による急激な業容拡大が思うように軌道に乗らず、グループとしての業績の足を大きく引っ張る形となってしまったとのこと。ここ2年ほどのM&A攻勢で、現在同社のグループ企業は80社を超える大所帯になっており、その大半が業績不振で買い叩いてグループに加えたM&A先という状況です。

   ライザップを率いるのは、40歳と若い瀬戸健社長。本業が好調でおカネがあるから、貸してくれる先があるから、経営者として若さに任せて欲しいものを次々と買い漁った結果として、見かけの安い買い物が結果的に高くついてしまった。そんな状況にあると言っていいかもしれません。

   しかし、この苦境からの脱出に向けた瀬戸社長の思い切った決断には、賞賛の声も聞こえています。その決断とは、菓子メーカー大手のカルビーの松本晃会長のヘッドハントです。

   松本氏は事業再建のプロとして知られる名経営者で、御年71歳。瀬戸社長とは親子ほども年の差のある企業経営のプロフェッショナルです。創業者でもある若手オーナー社長が、経済界の重鎮でもある大物経営者を共同経営者として、自ら進んで向かい入れるなどということは、抵抗感があってできないと常識的には思われるところです。

   しかもさらに驚かされたのは、二人が旧知の仲ではなく今年(2018年)1月に瀬戸社長からのアプローチで、初めて面談したという点。素晴らしい柔軟性であると思わされます。

   瀬戸社長に、なぜそれができたのでしょう――。その理由は、ビジネスに対する彼の信条と、それに基づく行動に見出すことができそうです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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