銀行員時代から、企業経営者が集まる懇親会の類には数多く出席をしていますが、この手の場の過ごし方、活かし方は人それぞれであります。
たいていのベテラン経営者は、同年代の顔見知りを見つけては話に花を咲かすのが上手なものです。一方の若手経営者も、さすがに経営者ともなると参加する以上、「壁の花」になるというケースはあまりないのですが、そのパターンは大きく2とおりに分かれるように思っています。
長老との名刺交換はなんの役にも立たない?
ひとつは、何かと話題の合いそうな比較的年齢の近そうな参加者を探して話の輪をつくるタイプ。今ひとつは、むしろ年代の違う層に果敢に挑んで、いろいろ質問をぶつけてみるタイプです。
経験的には世代関係なしに、まんべんなくさまざまな参加者と話題を交わすことが、思わぬ出会いや気づきを得させてもらうことにつながるケースも多いのではないかと思っています。
ですから、私自身がこの手の集まりにおいて年齢的にベテランの部類に入るケースも多くなった最近では、進んで若手経営者と話す機会をつくるように心がけてもいます。
そんなある時、比較的若手経営者が多く参加している、私が主宰するビジネス交流会での参加者の輪の中で、意外な声が聞こえてきました。
「この集まりは若い人が多いから活気もあってとても気に入っています。他の異業種交流会とかでは、半分引退したような長老的経営者も多かったりしてビジネスにつながるような出会いが少ない集まりも多いですから。彼らと名刺交換をしたところで、何の役にも立ちませんから」
うちの交流会を気に入っていただき、お褒めいただくのは主宰者として大変ありがたいことではありますが、ちょっと気になったのは年長者を敬遠するような一言でした。
確かに、自分よりも何十年も経験が豊富な経営者は、ただでさえ口うるさい年寄りであることも多く、若手が何か言おうものなら「最近の若い者は......」と説教でもはじめられかねない。そんな警戒感があるのかもしれません。