「崖っぷち」日本の金融政策 「ベア・マーケット」への備えはできているか?(志摩力男)

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   中国の通信機器大手「ファーウェイ(華為技術)」の副会長でCFO(最高財務責任者)の孟晩舟(マン・ワンジョウ)氏が逮捕されるという衝撃的な事件が起こりました。

   詳細は不明ですが、報道されているところを見ると、米国が経済制裁を課すイランに製品を違法に輸出した疑いとのことのようです。米中首脳会談が終わり、結論は90日先延ばしされ、市場には少し安堵感が漂っていた、その矢先のことでした。

  • 2019年は、こんな人が増えるかも……
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米国の対中貿易問題は長引く

   2018年は、トランプ米大統領の貿易問題に振り回された1年でした。当初は、そもそも何が問題なのか、相手国は何をどのように改善すれば事態は解決するのか、そういったことがほとんどわからず、市場関係者も手探りの状況でした。

   特に一部の「事情通」と称する人たちは、「所詮はシナリオのあるゲーム。トランプ大統領は中間選挙の前に戦果が欲しいだけであり、直前まで相手にプレッシャーをかけ続けるが、最後はにこやかな握手で終わる」と、したり顔で言っていました。

   しかし、そうした見方が如何に表層的であったか、今は明らかです。

   決定的だったのは、10月4日、ペンス副大統領がハドソン研究所で行った「政権の対中政策」という演説でした。副大統領は、中国がこれまで行ってきたあらゆる悪事を並べ立て、これまで融和的だった対中政策を180度転換すると、明確に宣言したのでした。

   演説の後ろには「China 2049」という本の著者、マイケル・ピルズベリー氏が立っていました。これまでの対中政策がどのようなもので、今後どうなるのか、彼の本を読めばわかります。

   トランプ米大統領にとってみれば、貿易赤字が問題なのかもしれません。しかし、ペンス副大統領をはじめとした共和党首脳部や多くの民主党議員も、今は反中国でまとまっています。

   中国に対する厳しい姿勢は、短期間のうちに終わるものではなくなりました。もしトランプ大統領の次の大統領がペンス副大統領だとすれば、この問題は最長、トランプ米大統領の8年に加え次期ペンス大統領の8年、合計16年続くということになります。

志摩力男(しま・りきお)
トレーダー
慶応大学経済学部卒。ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など大手金融機関でプロップトレーダー、その後香港でマクロヘッジファンドマネジャー。独立後も、世界各地の有力トレーダーと交流し、現役トレーダーとして活躍中。
最近はトレーディング以外にも、メルマガやセミナー、講演会などで個人投資家をサポートする活動を開始。週刊東洋経済やマネーポストなど、ビジネス・マネー関連メディアにも寄稿する。
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