社長の懐は気になって当たり前 だから、いい会社は誤魔化さずに報酬を開示する(大関暁夫)

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   前回に引き続き、日産自動車のカルロス・ゴーン元会長がらみの話題をひとつ。

   東京地検の捜査が進む中で、容疑の焦点となっているゴーン氏が自身の報酬を実際よりも10億円少なく記載していた件の理由は、株主はじめ世論の「報酬が高すぎる」という批判を避けるためであったと供述しているとの報道がありました。

  • 社長がいくらもらっているのか、気になります!
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自らの報酬の「見える化」は必要

   経営トップが自らの「報酬が高すぎる」という批判を受けたくなくて、本当の報酬額が知れることを嫌がるというケースは大企業、中小企業問わずによくある話です。

   一般的に個人の報酬額は個人情報に属するものであり、公開を義務付けられた上場企業の経営者以外の企業経営者が、それを理由に自らの報酬額を非公開とするのは一見、筋が通った話ではあります。

   しかしながら経営者たるもの、やはり社内の実権を握り、全社員から注目を集める組織内の公的な立場であり、個人的には自らの報酬について「見える化」していくことは必要なことであると思っています。

   私が銀行員時代のことですから随分前の話になりますが、地方都市でサービス業の複数の店舗を展開する40代のT社長が、とあるパーティの席上で妙な愚痴をこぼしていました。

   「先日、去年ライバル社からナンバー2候補としてヘッドハントした店長が私に、『噂で聞きましたけど、社長は毎月○○円も貰っているんですよね。そのうえ、家族で旅行に行っても経費で落とせるんでしょ。いいですよね』と、暗に自分の報酬をもっと上げろと言ってきたんだ。

   金額も合ってるし旅行の件も実際にあった。経理部長とアシスタントの女性以外知りえない情報なので、証拠はないが経理の女性社員に食事でもご馳走して、会社の決算書や経費明細を見たいと頼んだのじゃないかと思う。店長はクビにしようと思うが、女子社員は下手に配置替えすると配置替え先で余計なこと言いそうだし、困ってます」

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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