男は話を聞かないだとか、女は地図を読めないだとか、男は左脳で生きているだとか、女は右脳で生きているだとか、男女の考え方や行動基準の違いはよく言われるが、資産運用や投資に対する考え方も、おもしろいことに男女差があるようだ。
世界中で顧客満足度(Customer Satisfaction=CS)を調査しているJ.D. Power のデータも、それを物語っている。たとえば......
男女では「理想の資産運用スタイル」も違う
そもそも、男と女では「お金について知りたい欲求の度合い」が違う。
まずはシンプルに、これから資産運用をやりたいと考えている人に、「お金について知りたいこと」を聞いた結果を見てみよう。男女問わず、最も「知りたい」の割合が高いのは「増やし方」。次いで、「貯め方」「節約の仕方」の順となった。
しかし、いずれの項目も女性の方がその割合が高く、総じて女性の方が「お金に対する勉強意欲」が高いと言えそうだ。
知りたいことが違うから、当然、理想の資産運用スタイルも男女で違いがみえる。きっかけとなる、「入り口」の運用資金の準備のしかたが違う。
男性は一定のまとまった金額を運用資金として、準備してから開始したいと考える傾向にあるのに対して、女性は手元にあるお金で「毎月こつこつ」積み立て志向であることがわかる=下図参照。
さらに、男性は多少のリスクを負っても運用益を出すことを重視し、複数の金融商品を、自ら運用したいという意向が強かった。それもあってか、最もやってみたい金融商品が「株式」ということなのだろう。「リスクもリターンも自分の腕と運次第」と覚悟を決めていて、「ベストなポートフォリオは運用しながら自分で探っていく」、チャレンジ型ともいえそうだ。
一方の女性は、可能な限りのリスクを回避しつつ、購入する金融商品は一点集中。できれば、投資信託。そして、買ったあとの運用はプロに任せたいという意向が強かった。ブランド品を買うときの女性が、「お気に入りの1点を見つけ出して、メンテナンスにもお金をかけて、大事にしよう」とするのと、よく似た感じかもしれない。