「1日最大○○円!」などとうたったコインパーキングの看板をよく見かける。「安い!」と思って駐車すると、トンデモ料金をとられるトラブルが後を絶たない。
看板をよく見ると、割引料金には条件があるのに、小さな字で表示したりして利用者にわかりづらくしているケースがあるからだ。特に、年末年始やクリスマスイベントなどでは「特別料金」になり、目の玉が飛び出るような額を請求される例が目立つため、国民生活センターは2018年11月22日、「利用する前に看板の表示を隅々までよく確認しよう」と呼びかけた。
「1日最大1000円」は翌日から「1日3000~4000円」
国民生活センターによると、かつてはコインパーキングの高額料金の相談件数が多かったが、悪質業者対策のために業界団体が「看板表示のガイドライン」を作った2014年以降は年間300件前後の横ばい状態で推移してきた。ところが昨年(2017年)は363件に増加した。これは、最近、スマホアプリを使った駐車場の利用が急増していることが影響しているという。
トラブルの多くは「1日(24時間)最大料金」という宣伝内容の意味を、利用者が誤解していることからくる。たとえば、大きな都市で「1日最大1000円」といっても、それは最初の1日目、1回こっきりの割引料金であり、2日目以降は通常料金の「1日3000~4000円」ずつ取られる仕組みになっているところが少なくない。
たとえば、こんな事例だ。
【事例1】「1日最大料金」の適用が24時間1回限りだった。
コインパーキングの看板に「1日最大250円」と大きく表示されていたので、6日間駐車した。250円×6=1500円と思ったら、8100円も請求された。連絡先に電話して返金を求めたが、「駐車より24時間を過ぎると通常料金が加算される」「『48時間以上の駐車はご遠慮ください』と看板に表示しているので返金はできない」と言われた。看板を確認したら確かにそう書かれていたが、文字が小さすぎる。駐車する前に気づきにくい=図表参照。(2018年4月、50代・和歌山県)
【事例2】年末年始の特別料金で、10倍の高額に!
通常は1日駐車しても1000円程度なので、12月31日の夕方に駐車し、1月1日の夜に出車したら、なんと料金が約1万円になった。管理会社に連絡すると、「料金精算機の下に正月料金の表示をしている」と言われたが、料金表示はのぼり旗で隠れて見えなかった。(2018年1月、40代女性・京都府)