社内では「門番」としてよく知られた
一緒に働いたことのある元役員は、ケリー容疑者のことをこう評しています。
Mr. Kelly became well-known inside the company-most significantly in the last decade as gatekeeper and confidant to Mr. Ghosn.
(ケリー容疑者はとりわけこの10年間で、ゴーン容疑者の「門番」で「腹心の友」として、社内でよく知られるようになった)
well-known as~:~としてよく知られる
decade:10年間
gatekeeper:門番
confidant:腹心の友、親友
ケリー容疑者の人となりは詳しくわかりませんが、「Inside Man」(潜入スパイ)とか「gatekeeper」(門番)「confidant」(腹心の友)といった単語を見る限り、とにかくゴーン容疑者の側近としての立場を固め、社内で強い影響力があったことがよくわかります。
報道によると、「会社のために尽くしてきた」と容疑を否認しているようですが、30年も務めた会社にロイヤルティーを感じなかったのか。もしくは、本心から「会社のため」と思ってゴーン容疑者の「黒幕」に徹したのか。
ビジネスパーソンとしては、ゴーン容疑者よりもケリー容疑者の「動機」のほうが、謎めいていて気になります。誰か、「映画」か「小説」にしてくれないでしょうか?
では、「今週のニュースな英語」は、「confidant」(腹心の友)を取り上げます。
英英辞典では、「a person you trust and share your feelings and secrets with」(あなたが信用して、感情や秘密をシェアする人のこと)と解説しています。語源がフランス語で、女性に対しては最後に「e」をつけて「confidante」になるようです。
「close」(近い)、「loyal」(忠実な)といった形容詞をつけると、さらに親密度が増します。
close confidant (親密な腹心の友)
loyal confidant (忠実な腹心の友)
Her brother is her closest confidant
(彼女の兄弟は、一番身近な親友だ)
He is my boss and confidant
(彼は私の上司であり、腹心の友でもある)
今回の事件は、まだまだ緒についたばかり。しばらくは、ケリー容疑者に注目をしてニュースを追っかけようと思っています。(井津川倫子)