その69 「半強制」の募金 「こんなものいらない!?」(岩城元)

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募金は自主的にやってこそ意味がある

   しかし、そもそも「募金」というものは、人々が自主的にやるところに意味がある。それなのに、「強制ではありません」と言いながら、強制の臭いが漂うようでは、募金の名に値しない。陰湿な感じもする。だから、募金の趣旨には賛成だが、半強制はイヤだ――。そんな気持ちの人が多いはずだ。

   英国で何年か暮らした知人によると、知人が住んでいた地域では、封筒を回すような集め方はしないが、学校や教会でイベントがあると、すべからく助け合いのための募金の場が設けられる。

   金額はもちろん任意で、募金すると、クッキーやケーキが振る舞われたそうだ。僕にはこんなやり方のほうがすっきりしている感じがする。(岩城元)

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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