「社団法人」にしたのは「株式会社」より安かったから
それにしても、なぜこんなにバカバカしいほど簡単なアンケートでカネが稼げると思う人がいるのか――。J-CASTニュース会社ウォッチ編集部の取材に応じた、消費者庁財産被害対策室の小泉勝基室長はこう説明する。
「やはりキャッシュバックがあると信じた人が多いからと思います。最初から、初期投資した額より高いカネが戻ってくることが約束されているわけですからね。ただし、キャッシュバックを受けた人はひとりもいませんでした」
「社団法人日本統計機構」という公の団体のようなネーミングも利いているかもしれない。そこでまで計算して、「株式会社」ではなく「社団法人」にしたのだろうか。小泉室長に聞くと、
「『社団法人のほうが株式会社より登記手続きが簡単で、しかも安かったから』と言っています。これまでの多くの情報商材の詐欺まがい商法では、消費者が儲かることはほとんどありませんが、いちおうビジネスのシステムがありました。今回は、最初から入会金を騙し取るのが目的だったと思われます」
とみている。
ずいぶん、ずさんな商法だが、簡単に高額収入が得られることを強調する広告や宣伝には特に注意が必要。
「まずは疑ってください。カリスマ指導者が収益を得ていることをアピールする商法はほかにもたくさんあります。甘い言葉には決して引っかかってはいけません」
日本統計機構は2018年11月16日、官報に解散公告を出したという。(福田和郎)