来年2019年のカレンダーは、新天皇の即位日となる5月1日を来年限りの祝日とし、4月27日から5月6日までを10連休とする――政府はそんな法案を2018年11月13日の閣議で決め、開会中の臨時国会に提出した。
本来なら、4月27日から29日までの3連休の後、平日が3日あり、その後の5月3日から6日までが4連休のはずだった。
ところが、5月1日を祝日にすると、祝日法の定めにより、その前後の日も「国民の休日」となって10連休になるわけである。
政権の人気取りといったニオイがする
休日が増えるのは無条件にうれしい。そう思っている人も少なくないだろう。でも、そんな人たちには、公務員とか企業の正社員が多いのではないだろうか。休んでも、給料が減るわけではないのだから、喜んで当然である。
だが、非正規社員で、日給で働いている人たちにとっては、10連休はありがたいだろうか? たちまち、収入が減ってしまう。レストランなどサービス業で働いている人たちはどうだろうか? 10連休は書き入れ時だから、レストランなどは多分休まない。当然、従業員も休めない。客は普段より多く、てんてこ舞いさせられそうだが、その分、従業員の収入が増えるだろうか。
10連休が報じられた後、朝日新聞に「日本中 無医村になる 十連休」という読者の川柳が載っていた。
休日診療の病院や医院があっても、混雑するはずだ。連休明けには混雑がさらにひどくなるかもしれない。医者通いの欠かせない「弱者」にとっては、10連休は決してうれしいものではない。
そもそも今度の10連休は「官製」である。政権の人気取りといったニオイがする。お上から言われ、「赤信号 みんなで渡れば 怖くない」式に、みんなが一緒に10連休するのではなく、もっと自主的に休暇を取りたいものである。