採用条件に「喫煙者お断り」と載せると好評
全社禁煙に取り組んでいることを、会社のホームページを通じて内外に広めたことも大きい。社員の採用条件に「非喫煙者に限る」と明記すると、逆に応募者が増えたという。
「健康に気を使った会社という、いいイメージで受け止められたのでしょう。また、喫煙者が放つイヤなニオイを嫌う人が非常に多いということです」(益満さん)
ちなみに同社では、外来者に対して「喫煙終了後、45分たってからの入室をお願いします」とドアに掲示してある。タバコの煙が最低45分間は衣服や体に付いているからだ。
最後まで残った2人が同時に喫煙を止めて、朝礼で表彰されたのは2015年12月。砂原社長の「涙のゼロ宣言」から2年9か月後だ。同社では、半年間禁煙を続けると「成功」と判断、人事部に届けることで「成功者」となる。あくまで自己申告だが、リバウンドした者はひとりもいないという。
講演終了後、J-CAST会社ウォッチ編集部記者をはじめ聴衆から益満さんに質問が相次いだ。
――リバウンド者がいないということですが、あくまで自己申告なわけですね。社員がウソをついている可能性はありませんか。
「社員は信じるほかはありません。ウソをついてもニオイが45分間残りますし、小さな会社だからすぐ分かります。」
――わが社では、かつて強権的なワンマン社長がトップダウンで『喫煙撲滅』を宣言したが、成功しませんでした。喫煙率25%からゼロにしたわけですが、何年間でゼロにするという強制的な数値目標があったのですか。