「4人に1人が喫煙者」をゼロにした会社 全社禁煙に成功した方法は?

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「部長のタバコ臭さがイヤ」という部下の声

   「喫煙ゼロ運動」は、全社員に喫煙に関するアンケートを行なうことからスタートした。社員172人中43人がタバコを吸っていた。4人に1人、喫煙率25%(男性40%・女性10%)だった。喫煙者にとって、タバコを吸わない同僚の生々しい批判の声が何よりも応えたと、益満さんは指摘する。

「喫煙している上司や先輩と飲食に行くと、当然のように喫煙室に座ることになるのが、イヤでたまらなかった」
「タバコ離席は、サボリと同じだ。取引先から電話が入ってもつなげず、迷惑だ。戻ってきた人の息や服が臭くてイヤな思いをしている」
「私はぜん息があるので、喫煙者の横にいるだけで、咳が止まらなくなる」
「自分の命を粗末にするのは本人の自由だが、有害な煙や悪臭のする息を他人に浴びせる自由はないはずだ」

といった、普段思っていても口に出せない批判の声だ。

   こうしたアンケートの声は、すべて社内メールなどで公開した。

   また、タバコがいかに健康を害するか、啓発の情報サイトも作り、次のようなデータをわかりやすいイラストや動画で紹介した。

(1)タバコが原因で死亡したと思われる有名人のリスト。川村カオリ(歌手・乳がん・享年38)、坂口良子(女優・結腸がん・57)、忌野清志郎(歌手・咽頭がん・58)、中村勘三郎(歌舞伎役者・食道がん・57)、筑紫哲也(ジャーナリスト・肺がん・73)......。
(2)喫煙者のがんのリスク(吸わない人に比べ)。肺がん(15~30倍)、咽頭がん(10倍)、乳がん(3.9倍)、食道がん(2~5倍)、子宮がん(2.3倍)...。このほか、糖尿病、心臓病、脳卒中、高血圧、結核、ぜん息、難聴...などの多くの病気の原因になる。
(3)喫煙による労働ロス。タバコを吸いに席を離れることが以下に生産性を落としているか、数字で示す。1回7~8分で5回離席するとして、1日に約35分。年間25万円相当の損失! また、ニコチン切れによる意欲の低下。
(4)欧米の双子研究から、一卵性双生児でも喫煙者と非喫煙者では老化の進行が異なり、30年間で母娘ほど外観が違ってくることを写真で比較。

   これらのデータを月に一度の朝礼でもスライドで見せた。

   また、オフィスの外廊下にある喫煙場所(バケツ)を撤去した。

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