「人生100年時代」と聞いて、アナタはどう思うだろう――。仮に定年後、年金だけで暮らしていけるのか? 働くといってもいくつまで働くのか? 病気になったら?
なんだかんだ言っても、お金は必要だ。それなのに、とかく日本人はお金の話をタブー視する。「資産運用をしていますか?」と聞かれて、自信を持って「はい!」と答えられる人は、どれくらいいるだろう。同僚や友人が「どんな金融商品で運用しているのか」なんて、聞いたこともない人が大半なのではないだろうか。
世界中で顧客満足度(Customer Satisfaction=CS)を調査している、J.D. Power は、日本全国の20~69歳までの人(投資可能人口)を対象に、「資産運用に対する関心」を聞いた。
7人に1人が「今後、投資をやってみたい」
その調査結果によると、日本の投資可能人口のうち、株式や投資信託、REIT(不動産投資信託)、国債などの元本割れの可能性がある、いわゆるリスク性商品をすでに保有・運用している人は、全体の34%と、3人に1人という結果だった=図参照。
日本の個人資産、約半分が銀行に眠っている!
さらに、過去にリスク性商品を保有したことはないが、今後に興味・関心がある人は13%いた。それにもかかわらず、実際に銀行や証券会社に投資用口座を持っているのは、そのうちの10分の1しかおらず、また興味がありながら、情報収集などを一切していない人が3人に2人という現実も明らかになった。
この結果は、意外にも多くの人が資産運用に関心を持っているにもかかわらず、いざ運用開始というタイミングで二の足を踏んでいる、迷っているということを示している。
しかし、これは「意外な結果」でもないのではないだろうか。どこにでもいるタイプ、と言ってもいいかもしれない。
他国と比べてみよう。 個人保有資産の内訳を、日本と米国、ユーロ圏で比べると、保有資産に占めるリスク性商品の割合は、日本の16%に対して、ユーロ圏は31%、米国は54%にのぼる。
ユーロ圏の人々は全保有資産の3分の1、米国は半分以上を「得をするかもしれないが、損をするかもしれない」金融商品で保有しているワケだ。
日本ではどうだろう――。日本の個人資産の内訳のトップは「現金・預金」で53%。つまり、保有している資産の半分以上は普通預金や定期預金として銀行に眠っていることになる。
参考までに、その割合は、ユーロ圏では33%、米国では13%で、よく言われる日本人の「貯金好き」が傾向として如実に現れており、いかに日本が現金・預金に偏った資産管理をしているかがわかる(2018年 日本銀行調査統計局調べ)。