カーナビゲーションや自動運転システムの開発などのクルマ関連に加えて、最近はドローン向けの3D地図の開発や官公庁向けの防災地図データと、地図情報を取り扱うゼンリンは、やはり有望株だった。
前回記事(2017年7月6日付)で取り上げた後もクルマ関連などの成長分野、なかでも「ダイナミックマップ」の重要部分を担うゼンリンの株式は「是非保有したい銘柄」と考え、ずっとタイミングを見計らっていた。
米国発、世界同時株安のタイミングに買い増し
狙っていたゼンリン株は、こんなタイミングで取得した。
2018年1月29日、ゼンリンは株式を1対1.5に分割して、4月1日付で組み入れることを発表。翌30日に、1株3850円で100株を取得した。
ゼンリン株は、その後の6月15日に同社が60万株、15億円の自社株買いを発表したことを好感して、翌営業日の18日には終値で72円高の2688円を付けていた。株価はさらに上昇し、9月21日付で「自己株式の取得状況および終了」が告知されると、10月2日には年初来高値の3675円を付けた。
それ以降は利食い売りに押されているようだが、そんなところに米国発の「世界同時株安」が発生。10月11日に日経平均株価が大きく下げたタイミングを利用して、翌12日に端株50株を買い増した。
現在の保有株数は200株に増えたが、株式市場の乱高下を反映して、含み損が1万7350円(11月1日時点)になっている。
ゼンリンでは、自動運転に向けたさまざまな取り組みが進んでいる。2018年10月26日付や29日付の日本経済新聞には、自動運転をめぐる次世代サービスに関するニュースが紙面をにぎわせている。
注目しているのは、「静的情報」「準静的情報」「準動的情報」「動的情報」を組み込んだデジタル地図の「ダイナミックマップ」だ。
推進するダイナミックマップ基盤株式会社はダイナミックマップの整備・運用を目的に、2017年6月に設立(創業は16年6月)した、オールジャパン体制の会社。産業革新機構(33.5%)や三菱電機(14%)、パスコ(12%)などが株主に名を連ね、ゼンリンも12%を出資している。
ダイナミックマップ基盤(株)は、高度化する自動走行、安全運転支援システムに貢献する、高精度の3次元地図データの整備・提供を進めている。ゼンリンは、その中核となる路面情報や車線情報、建物の位置情報といった「3次元地図情報」の基盤となる部分を担っているのだ。