あなたの家にボーナス分に匹敵する「資産」が眠っていることをご存じだろうか。日本の家庭に埋もれている「かくれ資産」の総額は、なんと推計37兆円、1世帯あたり約70万円になるという驚きの調査が2018年11月7日に発表された。
服やバッグ、アクセサリー、ゲーム、CD、書籍などの不用品を、今人気のフリマアプリなどで売って活用した場合の計算だ。今年の大掃除では大いに張り切って、不用品の大処分を試みてはいかが。
1世帯70万円、日本全体で37兆円の「資産」とは?
調査をまとめたのは、メディア運営などを手がけるコミュニケーション企画会社「ドリル」がつくった「みんなのかくれ資産調査委員会」だ。調査は、同社が11月下旬にスタートする、自宅のかくれ資産の推計総額を簡単に試算できるウェブサイト「みんなのかくれ資産」の基礎データを集めるために行なわれた。
調査の監修にはニッセイ基礎研究所主任研究員の久我尚子さんがあたった。インターネットを通じて全国10代~60代の男女2536人から自宅にある不要品(=1年以上利用してない品物)の総量と内容を聞き、メルカリのデータ提供を受け平均価格を掛け合わせ、資産の額を算出した。調査対象者のサンプルは、日本全国を「北海道・東北」「関東(東京以外)」「東京」「中部」「近畿」「中国・四国」「九州・沖縄」の7ブロックに分け、人口・世帯・年齢比に応じて選んだ。日本人の平均に近いデータを得るためだ。
対象に選んだ「不用品」は、服飾アクセサリー類や書籍・CD・ゲーム、家電、家具、楽器や釣り用品など趣味雑貨などで、「1年以上使っていない」ことが条件。ただし、喪服のように1年以上着用機会がなかった物は省いた。また、あくまで家の中の品物が条件なので、自動車やバイクは含まれていないが、自転車は入っている。フリマアプリで販売されることがポイントだからだ。
その結果、日本全体のかくれ資産の総額は推計37兆177万円、1世帯あたり69万4000円とわかった。これは、厚生労働省が発表した2017年の年間賞与平均額の74万7000円に迫る金額だ。国民1人あたりでは28万1000円となり、これも平均月収と同等水準だ。これまで一般家庭の資産は「金融資産」と「不動産」が中心だったが、これからは「第3の資産」として活用が期待される潜在的資産といえそうだ。