その67 書店の「ブックカバーと袋」「こんなものいらない!?」(岩城元)

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   書店で本を買うとき、いつも「要りません」を二度、言わないといけないのが、なんとも面倒くさい。でも、言わなきゃならない。

   店員「カバーをおつけしますか」

   僕「要りません」

   店員「手提げ用の袋は......」

   僕「要りません」

   なんとも、不毛である。

  • この本には本体(左)のほかに、カバー(中央と右)が2枚ついている。
    この本には本体(左)のほかに、カバー(中央と右)が2枚ついている。
  • この本には本体(左)のほかに、カバー(中央と右)が2枚ついている。

本にはもともと立派なカバーがついているのに......

   書店のレジでは、この順序で尋ねられることが多い。こちらの意向は何も聞かないで、勝手に本をポリ袋かビニール袋に入れてしまう店もある。

   普通はカバーをつけない雑誌でも、袋には入ってくる。街の大きな書店だけではなく、駅の構内にある小さな書店でも、カバーと袋はついてくる。

   だが、僕は書店のカバーと袋は、両方とももらわないことにしている。

   だって、まずはカバーだけど、本にはそもそも立派なカバーがついている。「ジャケット」とも呼ぶそうだが、地味な表紙に比べると、カラフルで宣伝文句が入っていたりして、随分と派手なものもある。紙の質も立派である。カバーが2重になっている本さえある。そのうえ、なんで新しいカバーをつけてもらう必要があるのだろうか。

   もちろん、「カバーをつけてください」と言う客には、それなりの理由があるだろう。まず、本を汚したくない。次には電車の中で、自分が読んでいる本を他人に知られたくない。たとえば『髪がどんどん生えてくる』なんて本を、やや頭頂が寂しくなった人は堂々とは読みにくい。エロ本の類いも同じだろう。

   でも、それほどカバーが必要なら、自分で適当な紙を探してきてつけたらどうだろうか。僕はいつもそうしている。なのに、本を買うたびにレジでカバーをつけさせるなんて、紙のムダ遣い、そして原料となる紙パルプの浪費である。

岩城 元(いわき・はじむ)
岩城 元(いわき・はじむ)
1940年大阪府生まれ。京都大学卒業後、1963年から2000年まで朝日新聞社勤務。主として経済記者。2001年から14年まで中国に滞在。ハルビン理工大学、広西師範大学や、自分でつくった塾で日本語を教える。現在、無職。唯一の肩書は「一般社団法人 健康・長寿国際交流協会 理事」
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