あなたは介護される立場になったときに、ロボットに介護されたいですか――。40代以上の人を対象にした調査で、ロボットの介護を「受けたい」と答えた人が84.3%と、過去最高を記録した。有料老人ホームなどを運営するオリックス・リビングが、2018年11月1日に発表した。
その多くが、「人に介護されると気を遣うが、ロボットではその必要がない」ことを理由にしていた。
配偶者を「介護したい」男性は84.1%、女性は65.8%
調査によると、ロボット介護を肯定する理由には、
「ロボットは気を遣わないから」(51.3%)
「本当は人の手が良いが気を遣うから」(27.2%)
「ロボットの方が安心・安全そうだから」(13.3%)
といった回答が目立った。
一方、ロボット介護を「受けたくない」と答えた人は、「人の手で介護されたいから」(46.9%)との理由が7年連続で最多だったが、初めて5割を下回った。
また、「配偶者を介護したいと思うか」との問いに、男性が「介護したい」と答えた割合が84.1%にのぼったのに対して、女性は65.8%にとどまった。オリックス・リビングは、女性は配偶者の介護を現実的な問題ととらえ、体格差など具体的な介護の難しさを想定していることがうかがえた、と分析している。
さらに、「配偶者を介護できる自信はあるか」という質問では、「自信はない」、「自信はあまりない」と答えた割合が合計で、男性が84.3%、女性は87.2%にのぼるなど、男女ともに「介護をしたい」という意向とは大きな乖離があった。
人の手による介護の難しさや心理的負担の大きさが、ロボット介護の「肯定化」に繋がったのかもしれない。
なお、調査は全国の40代以上の男女1238人(男740人、女498人)が対象。2018年9月21~22日に実施した。「介護の日」が制定された2008年から毎年実施され、11回目の今年は「高齢者の定義」や「自立支援」についての質問も新たに盛り込まれた。
「『高齢者』とは何歳以上を指す言葉だと思うか」という問いでは、「70〜79歳」が最多の73.5%を占めた。世界保健機関(WHO)は高齢者を65歳以上と定義しているが、調査で「65歳以上(だと思う)」と答えた人は約14%にとどまり、定義年齢との間で大きなギャップがあったこともわかった。