ブラック企業アナリストが監修、実話が元の演出
会社の社長、上司、同僚たちを演じるのは大坂の劇団「子供鉅人」(こどもきょじん)の俳優たち。多くのブラック企業の実話を元に、劇団演出の益山貴司さんが脚本を書いた。その益山さんにネタを提供。ストーリーを監修したのが、自らもブラック企業に勤務経験があり、『ワタミの失敗』などの著書があるブラック企業アナリストの新田龍さんだ。
参加者は、「株式会社人間」のサイトから応募、午前と午後の2回、15人ずつが「新入社員」として採用される。11月14日が締め切りだが、30人以上の応募があった場合は、会社での立場が管理職を優先に採用するという。花岡さんは、
「やはり上司の人にパワハラの痛みを経験してほしいですからネ。早くも炎上ぎみで、11月1日の一日に80人の応募がありました」
と語る。
採用された参加者にだけに「会社」が入っている雑居ビルの所在地などの連絡が入るが、なにしろ札付きのブラック企業、えりすぐりの恐ろしい上司、先輩ばかりだ。参加者は次の事項に同意する必要がある。
(1)職場で起こるさまざまな「ハラスメント」を体験する内容です。エンターテインメントとして演出していますが、気の弱い方や、強い口調が苦手な方は参加を控えてください(体に触れる行為はいたしません)。
(2)演者から無理難題、理不尽な言動を受けますが、あくまで体験イベントと受け入れてください。
(3)イベントの性質上、怒りを感じることがあるかもしれませんが、くれぐれも演者に危害を加えたり、進行を妨げたりする行動は控えてください。
(4)イベントに耐えられなくなった場合は、途中退場できる「退職願」を用意しています。
(5)多少無礼なことがあっても、怒らないようお願いします。
最後に花岡さんはこう語っている。
「今回のイベントが成功したら、実際に大企業のハラスメント研修に出て、大勢の社員の前でやってみたいです。部下の前で上司にハラスメントを体験させたい。荒療治をしないと、本人にもわかってもらえないですからね」
(福田和郎)