有名企業への入社ではなく、「この会社に入って本当によかった!」と、新卒入社後に心底思えることが「幸せな就職」というものだろう。そんな「幸せな就職」をした学生が多い大学はどこだろうか。調査したランキングの結果、東京大が2位であることは驚きに値しないが、1位と3位に超意外な大学の名前が挙がった。北海道大と広島大だ。
特に広島大は、「待遇満足度」のランキングでも2位に上がった。いったいなぜ広島大卒業生に「働きがい」を感じている人が多いのか? J-CASTニュース会社ウォッチ編集部記者は調査を行なった研究所の調査員と、広島大の就職担当者に話を聞いた。
上位に北海道大と広島大のローカル国立大が...
この調査は、就職・転職者向け企業情報を提供するサイト「Vorkers」を運営するヴォーカーズの「働きがい研究所」が2018年10月23日に発表した「本当に良い就職をしている大学ランキング」だ。「Vorkers」の特色は、会員による入社した企業のクチコミ投稿。調査では、2007年7月~2018年10月の11年間にクチコミ投稿をした社員のうち、卒業大学情報がある1万1747人を対象にした。卒業者数が少ないとデータの信用性が保てないので、クチコミが50件以上ある大学を選んだ。社員は入社して1年以上在籍していることが条件だ。
自分の会社について8つの項目で、「非常に良い」「良い」「普通」「悪い」「非常に悪い」の5段階で評価してもらった。8つの項目とは次のとおりだ。(1)待遇面の満足度(2)社員の士気(3)風通しの良さ(4)社員の相互尊重(5)20代の成長環境(6)人材の長期育成(7)法令順守意識(8)人事評価の適正感、である。
そして、自分の会社に対して総合評価が高いほど「働きがいを感じている」、つまり「この会社に就職して良かった」と満足しているとして、そういう卒業生が多い大学を上位30位まで表したのが、図表①の「本当に良い就職をしている大学ランキング」だ。
これを見ると、1位北海道大、2位東京大、3位広島大、4位一橋大...と国立大が上位を占める。私立大のトップは5位の上智大だ。必ずしも偏差値、つまり入学難関度に応じていないことがわかる。それにしても、1位に北海道大、3位に広島大と国立のローカル大学が並ぶのはどういうわけか。
同時に発表された、「待遇面の満足度」だけに絞ったランキング(=図表②)を見ると、ここでも広島大は1位の東京工業大に次ぐ2位の座をキープしている。ちなみに北海道大は10位である。