J.D. Power、CS第1位~最下位の企業を名指しでランク付けするワケ
じつは、J.D. Power社は日本でも多様な業界で「顧客満足度ランキング」を発表している。情報が溢れるいまこそ、顧客満足度を知る意義をJ.D. Power Japanの鈴木郁(すずき・かおる)会長に聞いた。
「企業は顧客に商品やサービスを提供し、それらを買ってもらって利益を得ています。ですから、自社の商品やサービスを買ってくれた消費者がそれらに満足して、また買ってもらえるような流れを作ることが事業を継続させ、利益を出し続けていくための大前提となります。
常に顧客満足度(評価)を調べ、商品・サービスを改善し、常にいいモノを提供しようと努力する。そして、企業がそういう活動を続けると、消費者に提供される商品やサービスの品質や機能がだんだんよくなっていく。
つまり消費者である我々自身にとって、より性能や機能がよく、品質が高い商品やサービスを手に入れられるという好循環を生み出し、世の中全体の品質水準が向上することにつながるのです。J.D. Powerが顧客満足度を調べ、ランキングとして上位から下位までのブランドをあえて、『名指し』で発表する意義はそこにあります」
なるほど、「どこがNo.1か」だけでなく、最下位までを名指しで発表することが、企業にも消費者にも好影響と好循環をもたらすというわけだ。