サウジアラビアと米国の地政学リスクが高まった2018年10月22日週。週初めこそ、1ドル113円台目前に迫ったものの、市場のムードはリスクオフ。米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が年初来マイナスに転じ、日経平均株価も下げ幅を拡大したことで、ドル円相場は1ドル112円台を割り込む展開に。その後のドル買いで112円台を回復したものの、26日発表の米国の第3四半期の国内総生産(GDP)が軟調と受けとめられ、ドルは上げ幅を広げることができなかった。
FX大学対抗戦は、國學院大と一橋大がポンと飛び出したことで、早稲田大、明治大、慶応大も積極的に動いた。國學院大に勢い。慶応大がプラスに転じた。
日米の株式相場の下落に、どう対応するか!?(早稲田大)
10月20日(土)
およそ2週間、FX市場を追って感じたことだが、あまりにも考慮すべき要因が多く、予測するのが難しい。ドル円相場についても日本と米国のお互いに対する相対的な立場を常に意識しなければならないと思った。特に現状は、米国株、日本株ともに下落している。このどちらが、より投資家にインパクトを与えるかを考えて立ち回らないといけないので、本当に奥が深いものだと痛感している。
10月22日(月)
今週から株式市場が全体的に上昇に転じたことを受けてか、ドル買いが優勢になり、円安基調がいまだ続いている状況だと思われる。
取引は見送った。
10月23日(火)
この日、株式市場はまた下落へ。株安の連鎖への投資家の不安を再び煽り、米国債が買われて利回りの低下(国債の価格上昇)を招き、ドル安円高の方向へ市場は動いた。
初回からのマイナススタートで出鼻をくじかれたため、少々トレードに及び腰になってしまっていたが、この日は趣向を変えて、短期トレンドにフォーカスしてトレードしてみたところ、トータルで10円のプラスとなった。
1ドル112.46円で売り、112,44円で買い戻し。また112.43円で買い、112.51円で売った。
まだ取引をはじめて2週間だが、FX取引では短期取引がメジャーだというイメージが形成されている理由がなんとなくわかってきた気がする。FXでは市場の価格決定プロセスの構成要素があまりにも多すぎてテクニカルに頼らざるを得ないので、株式投資で一つの企業を調べ上げて長い目で見るのとはワケが違う、と初心者ながら感じた。
10月24日(水)
ここ何日間で株式市場が大いに為替市場に影響を与えているのは実感した。であれば、現在下落中の株式市場の反発を見込んでドル高を予想しロングで入る。1ドル112.51円で買いポジションを持った。
10月26日(木)
先日の予想と裏腹に米株式市場は続落していき、現地時間の25日ごろ、ようやく反発した。ロングポジションだが、雲行きが怪しくなったやいなや1ドル112.51円で買ったものを112.52円ですぐさま売り、現在9979円。1万円から21円のマイナスである。
前週からの損益 プラス13円
10月26日現在 9979円
追撃開始も慎重さが裏目に......(明治大)
10月22日(月)
1回目の記事が公開されたので、他の大学の様子を見た。國學院大学が1400円のプラスで1位。1000通貨をショートエントリーでロスカットも上手くやりながら2週間で1割以上増えていた。他の大学も下降トレンドだったためか、基本的にはショートで持つ人が多いという印象。はじまったばかりだが、大きく差をつけられてしまった。
10月23日(火)
チャートを30分足でみると、朝から下降トレンドに入っているのか、サポートライン(支持線=為替レートが過去数回にわたり、その水準で下げ止まった価格帯を示す)と思われる1ドル112円に向かって降りていっているので、112.45円で枚数1000通貨をショートでエントリーして112.00円の売りで指値を入れた。利益を確定して450円のプラス。ここから112.00円あたりで毎回跳ね返しているので、今回もこのあたりで跳ね返すと考えたが、いつ突き抜けるかわからないので112.00円で反発狙いをしたいが、ここはやめておいた。
112.45円で1000通貨を買い。112円で売り、450円のプラスとなった。
10月24日(水)
しっかりと引いた、1ドル112円のラインあたりで反発していた。自分のあやふやな予感より何度も跳ね返した実績のあるラインを信じるべきだった。
今週は1ドル112,883円~111,820円の幅で行ったり来たりし、ほぼ1円のなかで動いているレンジ相場だった。しかしレンジ相場が続けば、均衡が破れたときに破れた方向に動きやすいので、来週はいつブレイクするか見極めたい。
前週からの損益 プラス450円
10月26日現在 1万450円
予想どおりの相場に「攻め」のトレードができた(慶応大)
チャートは前週の予想どおりに安定しており、比較的ラクにトレードすることができた。また、前週やろうとしていたスウィングトレードは今週もチャレンジできなかったが、前の2週間は様子を見ながら行ったトレードも、今週は「攻め」のトレードができ、自分としては満足している。大勝ちも大負けもせず、安定した取引ができていたので、欲を出さず堅実に儲けていきたいと思っている。
10月22日(月)
大学が忙しく、トレードを見送った
10月23日(火)
この日は急遽、スキャルピングトレードに挑戦してみた。狙いとしては、前の2週間分の負け分を回収しようと、テクニカルの目線のみでトレードした。細かいトレードで、狙いどおり8円強の回収ができ、結果として18.26円の利益を得た。
1000通貨を112.485円で買って、112.504円で売った。
10月24日(木)
他の大学の記事を見て少しのんびりしすぎたと感じ、取引の単位を大きくしてトレードしたが、結果としてこれが正解だった。
約4時間ポジションを保有したまま、1ドル112.103円を112.303円まで上げたところで売り、178.09円の利益を確定させた。また同じように買い、10分ほどで売り40.95円の利益を確定させた。プラス219.04円となった。
この日の21時30分に米国で発表された先週(15日週)分の新規失業保険申請件数や9月の卸売在庫速報値などは特にトレードに影響を及ぼさなかった。
10月26日(金)
この日は忙しいため、来週に向けいろいろな情報を探っていく。また、12時ごろに売りの指値にロウソク足がふれ、下げトレンドもいい感じで続いているので、きょう夜遅くに保ち続けるかどうかを判断したいと思う。
前週からの損益 プラス237.30円
10月26日現在 1万228.91円
荒れぎみの相場に慎重を期す(一橋大)
10月23日(火)
米国の核軍縮条約脱退宣言やサウジアラビア籍ジャーナリストの暗殺事件など、不安なニュースが多いなか、為替相場はドル高へ少しずつ寄っている感じだ。買いから入ってもいいが、少し遅かった気がするため、きょうは取引を見送った。
10月24日(水)
きょうのドル円相場は一転して下げ相場。やはり安定していない今の市場へ、積極的に入っていくのは危険と判断。この日も取引はなし。
10月25日(木)
米国の株式市場の下落を受けて、ドル円相場は相変わらず上下に激しい値動きが続いている。しかし、いずれはどちらかにブレイクすることになるのだろう。今のところはさらなる円高方向への遷移を予想している。サウジアラビア記者殺害事件や中米からの移民など米国とその周辺各国の状況が緊張感を増している。11月6日の中間選挙の結果次第では、米国内の経済状況の停滞も予測されると考える。
ドル円相場は1ドル=130円にわずかに届かず、上昇の機会と力を失ってしまったように感じる。ここらへんで思い切って、長く売りのポジションを持ってもいいかもしれない。
10月26日(金)
今週はかなり値動きがあわただしかったが、やはり上値が徐々に重たくなってきている。今週は取引を見送ったが、来週は売りの目線から入っていけるタイミングを見計らいたい。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月26日現在 1万343円
決めたスタートダッシュ! 「売り」で仕掛ける(國學院大)
先週(10月15日週)に続いて米ダウ平均や日経平均などの世界の株価指数の不安定さが目立つため、ドル円の戦略は戻り売りを狙う。しかし、クロス円(米ドル以外の外国通貨と日本円との通貨ペアのこと)下落の円買い、ドルストレート(米ドルがからんだ通貨ペアのこと)のドル買いで、ドル円相場は1ドル111円後半から112円後半でレンジを形成している。
1ドル112.50円付近を売り、112.00円付近を買い戻すイメージ。
10月22日(月)
1000通貨を、1ドル112.77円で売り、112.17円で買い戻し、600円の利益確定。
プラス600円。
10月24日(水)
1ドル112.45円で売り、112.57円で損切り。マイナス120円。その後、112.46円で売り、112.04円で買い戻して、420円で利益確定。この日は、プラス300円。
10月25日(木)
この日は思惑がハズレ。1ドル112.24円で売り、112.40円で損切りし、マイナス160円。その後、再び112.27円で売りを仕掛けたが、112.42円で損切り。マイナス150円。
合わせて、310円のマイナスだった。
10月26日(金)
1ドル112.43円で売り、さらに112.40円で追加売りを発注。さらに112.37円、112.05円で追加売りした。現在、まだ保有している。
来週からのドル円戦略も戻り売りで、レンジを下抜けしてブレイクするのであれば、保有していきたい。日足と週足チャートを見ると、ドル円のロングポジションが溜まっているように見えるので、相手の損切りを狙って下落するようであれば、「売り」で仕掛けていきたい。
いっしょにFX大学対抗戦に参戦している他の大学から、「FXは短期でやるものですか?」との、質問があった。自分はFXをはじめたときから、ずうっとデイトレードで取引している。スキャルピングやスイングは資金効率も悪いと思うし、相場にはり付くのも長期保有も「面倒くさいな」と思っていたが、結局はどちらのトレードスタイルもチャートの見方は同じだった。
長期(週足・日足チャート)、中期(4時間足・1時間足)、短期(15分足・5分足)のこの順に、チャートの流れを見ていくのはどのスタイルでもそのようだ。自分一人が建て玉を保有しても、レートは動かないので大多数が注目するポイント(トレンドライン、レジスタンスライン、サポートライン)を見ている。向こう側の人たちは、どこで損切りをするのだろう。ここで注文が増えそうだな、と意識しながらチャートに向き合っている。
前週からの損益 プラス590円
10月26日現在 1万1990円