インターネットの通販サイトで商品を購入したものの、「商品が届かない」「偽物が届いた」といった悪質詐欺が後を絶たないが、特にこれからの11月~1月は冬物の衣服・履物の被害が集中する。
近年、日本の消費者が冬物を購入するシーズンに合わせて、海外の悪質業者が詐欺・模造品サイトを開くケースが急増している。そこで、国民生活センターは2018年10月24日、これら詐欺サイトの手口と対策をホームページに公開、「普段利用しない通販サイトで商品の購入を検討する時は、十分に気をつけて」と呼びかけた。
なぜこれほど簡単にだまされるのか?
国民生活センターによると、通販サイトの詐欺・模造品トラブルの相談件数は年々増加しており、ダウンジャケットやブーツなど冬物の衣服・履物を買い替える11月~1月に集中する傾向がある。たとえば、2017年11月~1月の3か月間に481件の被害があったが、これは1年間の被害総数の約半数に匹敵する。しかも前のシーズンより、1.6倍増えた。相手のほとんどは海外業者の可能性が高く、被害を回復するのは困難だ。
たとえばこんな事例が代表的だ。
【事例1】SNS上の広告で見つけた通販サイトで、ダウンジャケットをクレジットカードで購入した。「在庫処分80%OFF」とあったが、サイト内もしっかりとした作りになっており、少しも疑わなかった。商品到着まで1~2週間かかると書いてあったが、ひと月以上たっても届かない。連絡を取ろうとしたが、サイト内に連絡先が見当たらなかった。後日、クレジットカード会社からの請求がきたが、泣き寝入りするしかないのか。(2018年1月・20歳代男性)
【事例2】SNS上の「有名ブランドのダウンジャケット大幅割引、限定300着販売」という広告を見て注文した。支払方法は代金引換で、商品を受け取った。開封した途端、明らかな偽物だとわかった。すぐに事業者に連絡を取ろうとしたが、電話がつながらない。メールでも問い合わせたが、返信がない。(2017年11月・40歳代男性)
【事例3】広告メールを見て、有名ブランドの公式サイトと書かれていた通販サイトでブーツを購入。クレジットカードで支払った。粗悪な模倣品が届いたので、事業者に「返金してほしい」とメールをしたが返事がない。クレジットカード会社に連絡したが、「商品が届いている以上、どうにもできない」との回答だった。(2017年12月・50歳代女性)