「楽しい」半面、「宗教色」がネックに
この数字は、「意外に企業に浸透している」とみるべきか、それとも「バレンタインデーなどに比べると、まだまだ」と見るべきか。ちなみに、しゅふJOB総研が今年2月に行なった「バレンタインデーの社内イベント調査」では、90.2%が職場でチョコレートを配った経験があり、71.5%が「チョコ配り」を負担に感じている。そして、職場にバレンタインデーを持ち込むことについて、「賛成」の人は15.4%しかいなかった。
ハロウィンでは、職場で具体的に何をしているのか。「受付やオフィスを装飾する」が一番多く13.7%、「(お菓子を食べるなどの)ハロウィンパーティーをする」が4.8%で、中には「仮装したまま仕事をする」も3.1%いた。
「職場でハロウィンイベントが行なわれたら、どうするか」を聞くと、「参加する」が75.9%に達した。また、イベントに賛成か、反対かを聞くと、「賛成」20.8%、「反対」24.1%で、賛成者はバレンタインデーより多かった。30代以下の賛成は32.8%で、若い人ほど人気が高くなる。
賛成する人には「楽しさ」を強調する声が目立った。
「楽しい時間をみんなでシェアしたい」(50代・派遣)
「最初は乗り気ではなかったが、やってみたら案外楽しめた」(40代・主婦)
「昔の会社には組合主催の運動会があった。それと同じ意義がある」(50代・パート)
一方、反対する人には仮装のインパクトや宗教色を指摘する声が多い。
「仮装の衣装を買ったり、作ったり、面倒くさい」(40代・パート)
「日本の伝統的祭りも大事にしないのに、なぜ外国の宗教行事を会社でやるのか」(40代・パート)
などだ。
こうした結果について、調査を行なったしゅふJOB総研の川上敬太郎所長は、記者の取材にこう語った。
「いつのまにか日本の恒例行事になったハロウィンですが、まだまだ職場のイベントとしての浸透度は低いようです。ただ、年代別にみると、若い人ほど賛成比率が高くなりますから、今後は時を経るごとに浸透していくでしょう。ただ、気になるのはバレンタインの調査と違って、宗教的な理由から抵抗感を示す声がみられること。職場でハロウィンを盛り上げるとしたら、なるべく宗教感をなくす工夫をするといいでしょうね」