増税分を価格に転嫁する企業は半分だけ
また、消費税増税分を価格に転嫁するかどうかも、企業の死活問題だが、「すべて価格転嫁する」は5割台の54.3%にとどまった。「増加分の一部を価格に転嫁する」が13.9%で、「転嫁しない・わからない、転嫁する必要がない」が30.2%だった。3割近くが価格をあげずに乗り切ろうとしているわけだ。この傾向は大企業ほど強くなり、「転嫁しない・必要がない」が35.6%になる。しかし、中小企業は「転嫁しない・必要がない」が29.2%しかいない。
消費税増税分を価格に転嫁すると答えた企業が、半数近くしかいなかったことも注目される。2014年時の消費増税では、「取引先から増税分以上の値引き要請があった」と答えた企業が3割に達した。そして、「増税分すべてを価格に転嫁できた」ところは45.9%しかいなかった。今回もその恐れがあり、東京商工リサーチでは、政府が主導して、消費増税分の価格への転嫁について理解を深めるキャンペーンが最低限必要だ、と強調している。